【宮城】参議院文教科学委員会委員派遣　東北大学ナノテラスや日本語学校を視察

2/14東北大学ナノテラス中心部の放射光施設

「日々勉強！結果に責任！」を掲げ、「国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条とする
参議院議員　赤池誠章(あかいけまさあき・比例代表全国区)です。

本年は、癸卯年。「国難を乗り越え、“跳躍”の年に」したいと存じます。

2月13日(月)14日(火)両日、参議院文教科学委員会では正式な委員派遣として、1日目栃木の部活動地域移行と不登校対策、2日目宮城の東北大学ナノテラスと日本語学校を視察しました。

【栃木】参文教科学委派遣　部活動の地域移行と不登校対策とは | 赤池誠章ブログ

東北大学ナノテラス全景

14日(火)は、前日宿泊した栃木宇都宮から新幹線で仙台へ。仙台駅から5キロ程離れた青葉山にある東北大学ナノテラスと呼ばれる次世代放射光施設を視察しました。

https://www.sris.tohoku.ac.jp/

「放射光施設」とは、ナノスケールという十億分の1の世界まで観察することができる巨大な顕微鏡のことです。放射光は、ほぼ光速で直進する電子が、強い磁場によって曲げられた際に放たれる、指向性の高い光のことで、その明るさは太陽光の10億倍以上。

わが国は20年前以上に、スプリング8(Spring8、兵庫県播磨科学学園都市)と呼ばれる最新の大型放射光施設をつくり、ゴムタイヤやむし歯予防ガム等の多くの成果を得てきました。

http://www.spring8.or.jp/ja/　

　しかしながら、この20年間で世界各国では約50の放射光施設が建設され、わが国は世界の趨勢に遅れつつありました。そこで、Spring8を補完すべく東北大学に建設されているのが、次世代放射光施設ナノテラスなのです。国費200億円とともに、民間資金180億円を加えて、初の官民連携事業として建設が進められています。

ナノテラス見学センターから

　Spring8は、周波数が高い硬Ｘ線(8ＧeV)の明るい放射光ですが、今回建設しているナノテラスは、周波数が低い軟Ｘ線(3ＧeV)の明るい(輝度が高い)放射光施設となります。それにより、今まで硬Ｘ線では見えにくかったものが見えるようになり、様々な応用が期待されています。

　例えば、燃料電池やリチウムイオン電池の劣化を即時に可視化することができ、それにより電池の劣化原因を解明して高寿命・高出力化に繋げること。体外式膜型人工肺(ＥＣＭＯ)のプラスチック菅に長時間使用すると血栓ができやすくなり、それを取り除くことが医療従事者の大きな負担となっていたのですが、血栓の仕組みを可視化し、血栓になりにくい材料開発に繋げたりすること。ゴム製品や食品、指紋の科学捜査等、各分野に大きく貢献が期待されています。

　建屋が竣工し、今年中に放射光を稼働させ、来年から運用開始の予定です。

　課題は、電気代。ナノテラスだけで、1万世代分の電気代がかかるとのこと。電気代の問題は国民生活のみならす、企業活動、そして、科学技術にも影響を及ぼす国家課題であることが浮き彫りです。政府も遅まきながら原発再稼働を含めて対策に乗り出していますが、急がなければなりません。

　今国会では、ナノテラスのための法改正を議論する予定です。

◎日本語学校を視察