1月7日は昭和天皇祭　国難を乗り越える力「旧来の陋習を去り、民意を暢達し、官民挙げて・・・」

「日々勉強！結果に責任！」を掲げ、「国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条とする

参議院議員　赤池誠章(あかいけまさあき・比例代表全国区)です。

本年は、「国難を乗り越え、“跳躍”の年に」したいと存じます。

　1月7日(土)は、昭和天皇祭。今から34年前に昭和天皇が崩御しました。

　天皇陛下におかれましては、皇居内の皇霊殿において、昭和天皇祭皇霊殿の儀、御神楽の儀にご参列なされています。

　皇后陛下におかれましても、御所において、ご遥拝、お慎みをなさっております。

天皇皇后両陛下のご日程：令和5年（1月～） - 宮内庁 (kunaicho.go.jp)

　昭和天皇は、明治34(1901)年4月29日にご誕生なされ、明治45(1912)年7月30日、明治天皇の崩御により皇太子となられ、大正10(1921)年欧州歴訪後の11月25日からは大正天皇のご病気のため摂政に就任。大正15(1926)年12月25日、大正天皇の崩御により践祚（せんそ）され、第124代の天皇となられました。

　戦前、戦中、戦後の激動の時代を国家安泰、国民安寧を祈られ、昭和64(1989)年1月7日午前6時33分、吹上御所において崩御（御歳87）されました。昭和天皇と追号。在位期間は64年間であり、歴代天皇最長でした。

昭和天皇・香淳皇后 - 宮内庁 (kunaicho.go.jp)

　昭和天皇の事績については、『昭和天皇実録』全60巻にまとめられています。私はその中で、何といっても戦後の出発点となった、昭和21年1月1日元日の「新日本建設の詔書」が心に残っています。よく昭和天皇の現人神からの「人間宣言」と言われますが、全文を読めば、わが国柄を踏まえ、戦災復興に向けて、困難を乗り越え、今後国の継承発展への思いにあふれた、詔書名通りの「新日本建設」の宣言ではないかと思っています。

　　国難を乗り越える力は、明治維新の五箇条の御誓文にある通り、「旧来の陋習(悪い習慣)を捨て去り、民意を暢達(伸び育て)し、官民挙げて」「心を一にして」取り組むことだということを私達に教えてくれています。

　コロナ禍、ロシアのウクライナ侵略、物価高と続く国難の中で、わが国のこれからを考える時に、その出発点となる宣言を本年も改めて噛みしめ、自らの力としたいと思います。

◎新日本建設に関する詔書

昭和天皇「新日本建設に関する詔書」

新日本建設ニ関スル詔書・御署名原本・昭和二十一年・詔書一月一日 (archives.go.jp)

茲(ここ)ニ新年ヲ迎(むか)フ。顧(かえり)ミレバ明治天皇明治ノ初(はじめ)國是(こくぜ)トシテ五箇條ノ御誓文ヲ下(くだ)シ給ヘリ。曰ク、

一、廣(ひろ)ク會議(かいぎ)ヲ興(おこ)シ萬機公論(ばんきこうろん)ニ決(けっ)スヘシ

一、上下(しょうか)心(こころ)ヲ一(いつ)ニシテ盛(さかん)ニ經綸(けいりん)ヲ行(おこな)フヘシ

一、官武一途(かんぶいっと)庶民ニ至ル迄(まで)各(おのおの)其ノ志(こころざし)ヲ遂ケ人心ヲシテ倦(う)マサラシメンコトヲ要ス

一、舊來(きゅうらい)ノ陋習(ろうしゅう)ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ

一、智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基(こうき)ヲ振起スヘシ

叡旨(えいし)公明正大、又何ヲカ加ヘン。

朕ハ茲(ここ)ニ誓(ちかい)ヲ新(あらた)ニシテ國運(こくうん)ヲ開カント欲ス。須(すべか)ラク此(こ)ノ御趣旨ニ則リ、舊來(きゅうらい)ノ陋習(ろうしゅう)ヲ去リ、民意ヲ暢達(ちょうたつ=のび育てつこと)シ、官民擧(あ)ゲテ平和主義ニ徹シ、敎養(きょうよう)豐カニ文化ヲ築キ、以テ民生ノ向上ヲ圖(はか)リ、新日本ヲ建設スベシ。

大小都市ノ蒙(こうむ)リタル戰禍(せんか)、罹災者(りさいしゃ)ノ艱苦(かんく)、産業ノ停頓(ていとん)、食糧ノ不足、失業者増加ノ趨勢(すうせい)等ハ眞(まこと)ニ心ヲ痛マシムルモノアリ。然(しか)リト雖(いえど)モ、我(わが)國民(こくみん)ガ現在ノ試煉(しれん)ニ直面シ、且(かつ)徹頭徹尾(てっとうてつび)文明ヲ平和ニ求(もと)ムルノ決意固ク、克(よ)ク其(そ)ノ結束ヲ全ウセバ、獨(ひとリ)我國(わがこく)ノミナラズ全人類ノ爲(ため)ニ、輝カシキ前途ノ展開セラルルコトヲ疑ハズ。

夫(そ)レ家ヲ愛スル心ト國ヲ愛スル心トハ我國ニ於(おい)テ特ニ熱烈(ねつれつ)ナルヲ見ル。今ヤ實(じつ)ニ此(こ)ノ心ヲ擴充(かくじゅう)シ、人類愛ノ完成ニ向ヒ、獻身(けんしん)的努力ヲ效(いた)スベキノ秋(とき)ナリ。

惟(おも)フニ長キニ亘(わた)レル戰爭(そんそう)ノ敗北ニ終リタル結果、我國民ハ動(やや)モスレバ焦躁ニ流レ、失意ノ淵ニ沈淪(ちんりん=深く沈むこと)セントスルノ傾キアリ。詭激(きげき=言行過激)ノ風漸(ようやく)ク長ジテ道義ノ念頗(すこぶる)ル衰ヘ、爲(ため)ニ思想混亂(こんらん)ノ兆(きざし)アルハ洵(まこと)ニ深憂(しんゆう=大きな悩み)ニ堪(た)ヘズ。

然(しか)レドモ朕(ちん)ハ爾等(なんじら)國民(こくみん)ト共ニ在リ、常ニ利害ヲ同ジウシ休戚(きゅうせき=喜びと悲しみ)ヲ分(わか)タント欲ス。朕(ちん)ト爾等(なんじら)國民トノ間ノ紐帶(ちゅうたい)ハ、終始相互ノ信頼ト敬愛トニ依(よ)リテ結バレ、單(たん)ナル神話ト傳説(でんせつ)トニ依(よ)リテ生ゼルモノニ非ズ。天皇ヲ以(もっ)テ現御神(あきつみかみ)トシ且(かつ)日本國民ヲ以テ他ノ民族ニ優越セル民族ニシテ、延(ひい)テ世界ヲ支配スベキ運命ヲ有(ゆう)ストノ架空ナル觀念(かんねん)ニ基(もとづ)クモノニモ非ズ。

朕ノ政府ハ國民ノ試煉ト苦難トヲ緩和センガ爲、アラユル施策ト經營(けいえい)トニ萬全ノ方途ヲ講ズベシ。同時ニ朕ハ我國民ガ時艱(じかん=当面の難題)ニ蹶起(けっき)シ、當面ノ困苦克服ノ爲ニ、又産業及文運振興ノ爲ニ勇往(ゆうおう=勇んで行くこと)センコトヲ希念(きねん)ス。我國民ガ其ノ公民生活ニ於テ團結(だんけつ)シ、相倚リ相扶(たす)ケ、寛容相許スノ氣風ヲ作興(さっこう)スルニ於テハ能ク我(われ)至高ノ傳統(でんとう)ニ恥ヂザル眞價(しんか)ヲ發揮(はっき)スルニ至ラン。斯ノ如キハ實ニ我國民ガ人類ノ福祉ト向上トノ爲、絶大ナル貢獻(こうけん)ヲ爲ス所以(ゆえん)ナルヲ疑ハザルナリ。

一年ノ計ハ年頭ニ在リ、朕ハ朕ノ信頼スル國民ガ朕ト其ノ心ヲ一(いつ)ニシテ自ラ奮(ふる)ヒ自ラ勵(はげ)マシ、以テ此ノ大業ヲ成就センコトヲ庶幾(こいねが)フ。

御名御璽

　　昭和二十一年一月一日

内閣總理大臣

兼第一復員大臣第二復員大臣男爵幣原喜重郎

司法大臣岩田　宙造

農林大臣松村謙三

文部大臣前田多門

外務大臣　　　　吉田　　茂　

内務大臣　　　　堀切善次郎

國務大臣　　　　松本　烝治

厚生大臣　　　　芦田　　均