沖縄県知事選の敗因は・・・

沖縄県知事選挙　開票結果(出所：沖縄県選挙管理委員会)

https://www.pref.okinawa.lg.jp/site/senkan_i/event/tijisen/documents/r4chiji-kaihyokakutei.pdf

「日々勉強！結果に責任！」を掲げ、「国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条とする参議院議員赤池誠章(まさあき・比例代表全国区)です。

わが国の安全保障にとって、重要な戦略的要衝である沖縄において、知事選、県議補選、4市町村長選、25市町村議会議員選が、9月11日(日)一斉に投開票が行われました。最大の注目選挙であった沖縄県知事選挙の結果は以下です。

投票率　57.92％(前回▲5.32)　過去2番目の低さ

玉城デニー(62)　無所属・現　当選　33万9767票　立憲、共産、れいわ、社民、社大が推薦

佐喜真淳(58)　無所属・新　27万4844票　自公推薦

下地幹郎(61)　無所属・新　5万3677票

投票率が下がる中、2期目で地名度に勝る現職に対して、前回に引き続いて自公推薦の候補者が、前回より差を詰めたとはいえ、6万5千票差で敗北しました。これにより、政権与党の知事選候補者の3連敗となりました。

◎沖縄県知事選挙の敗因は

「勝に不思議な勝あり。負に不思議の負なし」(江戸末期平戸藩主・松浦静山、野村克也氏が広める)とよく言われます。

今回の知事選の敗因は、自民党支持層をまとめきれなかったこと、無党派層の過半が現職を支持したこと等、いくつかあると思いますが、私は以下3点ではないかと思います。

第一は、2期目を目指す野党現職に対して、政権与党推薦の候補者擁立に手間取り、遅れたこと。結果的に、自公推薦候補者が前回の同じ候補であったことから、もっと早く擁立し決定することができたと思います。その間隙に、3人目の候補者が出て、与野党一騎打ちから、三つ巴の様相を出してしまったことが挙げられます。

第二は、前回4年前の「国対沖縄」の対立構図を避けるべく、コロナ禍もあり、国会議員の応援を幹部のみの最小限としたこと。野党現職陣営に対して、与党国会議員の応援はもっとあっても良かったのではないかと思います。

第三は、コロナ禍とロシアのウクライナ侵略による原油高・物価高の中、旧統一教会問題が起きて、内閣支持率が下落して、それが沖縄知事選にも最終盤影響したのではないかと思います。与党新人候補者が弁明におわれ、肝心の現職の1期目の実績評価、経済振興策等の政策論議が深まらなかったと聞きました。

◎辺野古への基地移転反対は争点なのか

野党現職や一部マスコミは、毎回選挙の争点を「辺野古基地建設反対」としています。しかしながら、基地問題は国政の安全保障という国家の根幹の問題であり、地方の争点とはなりえません。

「沖縄の民意」が示されたと野党現職の勝利の度に喧伝されますが、辺野古基地を建設せずに、普天間基地の移転先を、民主党政権以来この10数年間見つけることはできていません。

ロシアのウクライナ侵略があり、国際秩序が揺らぎ、「台湾有事」が現実味を帯びる中、わが国を取り巻く安全保障環境が益々厳しくなってきています。その最前線は沖縄です。わが国の安全保障と日米同盟の深化、そして、沖縄の基地負担軽減という一見矛盾する命題を解決するには、従来から政府与党が推進するように、世界一危険な普天間基地を、米軍基地のあるキャンプシュアブの辺野古沖に移転する以外の選択肢はありません。

◎知事は本来の仕事である沖縄振興に専念を

今年7月の参議院議員選挙では、自民党公認候補者が敗北したとはいえ、大接戦を演じました。同候補者は明確にそのことを訴えて若者から多くの支持を集めていました。

沖縄の若者「県知事選にはもうウンザリ」現地在住作家が抱いた“メディアの不快感”（松永多佳倫,週刊現代） | 現代ビジネス | 講談社（1/5） (gendai.media)

今回の知事選挙で、過去2番目の投票率が低かったのは、不毛な議論が続く選挙への不信感ではないかと思わざるを得ません。

当選した野党現職知事に対して、2期目の出発に当たり、言いたいことがあります。

・辺野古移転反対を叫ぶより、本来の仕事である沖縄振興に力を入れるべき。

・国の沖縄振興費の減額を批判するより、執行率を上げるべき。

・国家戦略特区の指定を折角受けているわけで、具体的な提案をもっと行うべき。

・コロナ禍が続く中で、沖縄の全国最下位のワクチン接種率を上げるべき。

今後も、沖縄に方々に寄り添い、沖縄の振興と基地負担軽減に取り組みます。

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◎令和3年10月-令和4年8月　内閣府副大臣の仕事