南フランスの核融合研究拠点実験炉から遠隔方式での多田副機構長からの報告

建設が進み、2025年の運転開始を目指す (イイノホールで)

 

国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条に、「日々勉強!結果に責任!」をモットーとする内閣府副大臣、参議院議員赤池まさあき(比例代表全国区)です。

 

 去る12月17日(金)、東京都千代田区イイノホールにおいて、「ITER/BA成果報告会2021―新たな未来を創造する核融合エネルギー」に、昨年に続いて参加しました。

昨年の様子は、「地上に太陽を!」核融合エネルギー研究開発報告会に参加 | 赤池誠章オフィシャルブログ

 

9月の自民党総裁選においても、エネルギー問題が大きな議論となりました。わが国はエネルギー自給率が1割と低く、国家安全保障上や、国民経済の発展、2050年脱炭素化社会実現という地球環境問題からも、エネルギーのS+3E(安全性+安定供給・環境・経済)の確立は不可欠です。

自民党総裁選⑵ 争点は原発 | 赤池誠章オフィシャルブログ

 

エネルギー問題の究極の解決法が、「地上に太陽を!」という合言葉がある核融合エネルギーです。

 

◎核融合の研究開発の進捗状況は ITERとBA

 

本報告会は、産学連携組織の核融合エネルギーフォーラムが主催で、文部科学省所管の量子科学技術研究開発機構、自然科学研究機構核融合科学研究所が共催です。

 

「地上に太陽を!」という核融合エネルギーは、その名の通り、地球上に太陽と同様の核融合エネルギーの研究開発拠点をつくろうと各国が個別に開発競争を繰り広げていました。そのような中で、1985年のレーガンとゴルバチョフの米ソ首脳会談を契機に、欧州、日、米、露の4極の国際協力が開始され、2005年の協定によって、中、韓、印が加わり、7極35カ国の国際協力によって、核融合の実験炉を建設することになりました。

 

核融合発電の実用化までには、①科学的実現性研究→②実験炉→③原型炉→④商用炉の4段階を経なければならず、現在は②実験炉が建設中です。

 

それが、南フランスにあるITERです。ITER(イーター)とは、「International Thermonuclear Experimental Reactor(国際熱核融合実験炉)」の頭文字を取ったもので、ラテン語では「道」の意味もあります。

 

ITERの目標は、核融合炉と同じレベルの温度、密度などのプラズマ(固体→液体→気体→第4の状態)を実現することです。すなわち、三重水素、(トリチウム)と重水素という実燃料を用いて、大出力長時間の燃焼を行います。それには超伝導コイル等の新しい工学技術が必要であり、安全性を実証していきます。現在、建設が進んでおり、2025年の運転稼働を目指しています。

 

ITER研究開発の一方で、ITERではできないことを補おうとBA(Broader Approach幅広いアプローチ)が日欧で協定が結ばれ、それぞれ460億円を出し合って、わが国の茨城県那珂市と青森県六ケ所村で研究開発が行われています。

ITER(イーター)計画・幅広いアプローチ活動:文部科学省 (mext.go.jp)

 

◎核融合研究開発から既に成果が

 

(出所:文部科学省)

 

ITER/BA成果報告会の開会前に控室において、研究者と意見交換しました。その中で、核融合発電の実現というと21世紀中頃と言われてまだ先の話だと思われがちなのですが、既にその研究成果から実用化されているものがいくつもあると聞きました。

 核融合実験炉ITER日本国内機関・QST | ITERの波及効果

 

 その一つが、核融合の強い磁場を安定的に発生するための超電導線や大型の超伝導地場コイル等の技術から医療用MRI(磁気共鳴画像法)や粒子線がん治療装置です。

 

 また、スマホやパソコン、電動車等にとって電池は不可欠であり、その材料であるリチウムは大変希少で重要な戦略物資となっています。現在、核融合の燃料である海水からリチウムを取り出す技術開発が推進されており、その結果、Liイオン伝導体をLi分離膜とし、容易に超高純度Liの回収を可能とする「イオン伝導体Li分離法」(Li Separation Method by Ionic Conductor:LiSMIC)が開発されました。この技術により、塩湖や廃棄電池、海水からリチウムを効率よく回収できるものです。製造コストを輸入費用より安くしようと更なる研究開発が進められています。

 従来の200倍の速度でリチウムを二次電池などから回収する技術を量研が開発 | TECH+ (mynavi.jp)

 

 核融合研究の成果を私達は既に受けており、今後も受け続けることになります。究極の研究開発をすることにより、その過程で多くの恩恵を受ける典型ではないかと思います。

 

 今後も核融合研究開発を国民理解の上で支援を強化していきたいと思います。

 

 なお、今年度補正予算で「核融合発電の実現に向けた基幹技術の研究開発」に98億円、来年度予算案で「• ITER計画・BA活動等の核融合研究開発の推進」に219億円、計317億円を支援することになっています。

 令和4年度文部科学省予算(案)のポイント (mext.go.jp)

 

◎【参考】 核融合反応の長所と短所

 

その長所は、4点あります。

①エネルギー効率です。燃料となる重水素0.1g(水3l)とリチウム0.3g(携帯電話電池1個分)で、わが国の1年分の年間電気使用量(7,500kW時)が発電できます。

②燃料が無尽蔵にあります。燃料となる重水素もリチウムも海水から採取することができ、他の燃料と違って採取できる国に偏りがありません。

③安全性が高いことです。原子力発電所は核分裂反応を利用するために、反応が止まらず温度が上がり続けるという暴走を起こし、結果爆発することがあり、制御が重要となってきます。核融合反応は、重水素とリチウムから取った三重水素を超高温(1万度)で核融合させて、プラズマ(固体→液体→気体→第4の状態のこと)を発生させて燃やしますが、プラズマは燃料が多すぎても少なくても燃えないことから、安定的に燃やすことが技術的に難しいわけですが、プラズマが勝手に反応して燃えていくことはなく安心です。

④環境面に優しいことです。核分裂反応と同様に二酸化炭素を出さないだけでなく、核分裂反応の課題となっている高レベル放射性廃棄物を出さず、低レベル放射性廃棄物しか出しません。

以上の長所があるわけですが、その分短所として、①いまだ未解明な部分も多く科学的研究開発に時間がかかり、②巨大な設備が必要であり、開発費も維持費も巨額となり、③大量に発生する高速中性子によって炉壁が劣化・脆弱化しやすくその素材開発も課題となっています。

核融合研究:文部科学省 (mext.go.jp)

核融合へのとびら / 自然科学研究機構 核融合科学研究所

未来の新エネルギー: | 株式会社北陸電設

 

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◎内閣府副大臣の仕事

 

内閣府の全体の業務と分担一覧

20211112_tanmu.pdf (cao.go.jp)

 

内閣府副大臣として活動一覧

写真で見る動き - 内閣府 (cao.go.jp)

 

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◎新型コロナウイルス感染症対策

 

昨年来のコロナ禍について、ワクチン接種の2回接種が77.8%(12/24)で、全人口の8割近くまで迫ってきています。12月に入り、医療関係者から3回目接種も始まりました(46.9万回0.4%)。12月20日からデジタル庁でワクチン接種証明書の発行が始まりました。

新規感染者数は225人(前日比-41人)は若干減少しましたが、入院患者数1,995人(+115人)と増加傾向を示しており、重症患者数は44人(+6人)と底を打つ状態から微増となってはいます(12/26)。

 

WHO(世界保健機関)は、世界では感染が拡大しており、新たに感染力が強い変異株「オミクロン株」が発生し、世界各地で発見され警告しています。同変異株はわが国でも、発見され、市中感染の懸念が出ています。政府では水際対策強化を打ち出し、新規入国者を11月30日(火)から年明けまで停止しています。新変異株の詳細は研究中ですが、引き続き社会経済活動とマスク着用等の基本的な感染症対策の両立をお願いしたいと思います。

 

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◎災害支援

 

災害ボランティアを募集中です。

・詳細は https://www.saigaivc.com/ 

 

日本赤十字社では義援金を募集しています。

・詳細は http://www.jrc.or.jp/contribution/ 

 

災害が各地で頻発する中で、災害復興のために、観光支援を行っています。

https://travelersnavi.com/coupon/

 

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◎自民党党員募集

 

 自民党では党員を募集しております。党員は、自民党総裁選挙(次回は令和6年2024年)での投票権を持つことができます。ぜひ事務所までご連絡下さい。

 

◎赤池まさあき後援会入会案内

 

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