・写真は、議員連盟総会の様子

 

 「国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条とする参議院議員赤池まさあき(全国比例区)です。9か月後の来年7月の参院選に向けて、自民党から第一次公認を頂きました。引き続き国家国民のため、全力を尽くす所存です。

 

 地方創生、災害対策のために、高速道路の整備要望は地方から強いものがあります。

 

 去る10月16日(火)、自民党本部において、「中央道渋滞対策・中部横断道北部区間整備促進議員連盟」(吉田博美会長)総会が、国土交通省や沿線自治体の関係者出席のもと、開催されました。同議連は、5年前の平成25年12月に設立されたもので、私は事務局長を務めています。

 

●中央自動車の渋滞は国内最悪 6年後を目途に

 

 吉田博美会長の挨拶の後、国土交通省から事業の進捗状況について、報告を頂きました。資料の出所は、国土交通省です。

 

 

 国交省によると、中央道上り線では、調布付近が全国1位の渋滞となっており、小仏トンネル付近も休日を中心に渋滞となっています。同下り線では、相模湖付近が休日を中心に渋滞となっています。

 

 そこで、平成27年より小仏トンネル(上り線)については、トンネル手前の登坂車線を2車線から3車線化し、その延長上にもう1本トンネルを掘削して、さらに車線運用を見直して、3車線のまま圏央道のジャンクションに繋げようという渋滞対策が進められています。用地買収が現在行われており、完成までに今後6年近くがかかる見通しとのことです。

 

 中央道下り線の相模湖付近については、相模湖東出口・相模湖バス停から、相模湖ICの出口までの間の約2㎞については、2車線から3車線へ付加車線を整備しようとしています。橋脚の下にはJR中央本線があり、JRとの協議を行っているとのことです。この整備も、小仏トンネル掘削と同様の6年近くかかるとのことです。

 

 

 国内最悪の渋滞発生となっている、中央道上り線の調布付近については、平成27年12月に調布ICから三鷹バス停の間の約3㎞を、2車線から3車線化しました。そこの渋滞は、発生回数が5割減、所要時間が3割(24分→18分)減となり、緩和されました。しかしながら、渋滞の先頭が東京都心方面に移動し、渋滞が残っています。そこで、今後1年を目途に三鷹バス停付近の3車線化等、渋滞緩和対策を実施する予定です。

 

 中央道に関連して、圏央道八王子ジャンクションにおいて、青梅方面から相模湖方面への渋滞が発生していましたが、1車線となっていた本線の車線運用を見直し、既存幅員内で2車線とする対策を昨年末の12月20日から実施して、渋滞は解消しているとのことでした。

 

●中部横断道 南部区間は来年度中 北部区間は10年以内で

 

 

「君は太平洋を見たか、僕は日本海を見たい」

 中部横断道の推進のための用語(キャッチフレーズ)です。

 長野県から新潟県上越市までの上信越自動車(131.9㎞)は完成しており、日本海側への道はできています。残りは、太平洋への道、中部横断道です。長野県佐久市から山梨県を通って静岡県に抜ける中部横断道(132㎞)は、開通区間は49㎞(37%)、事業中区間が49㎞(37%)となっており、残った調査区間が34㎞(26%)となっています。

 

 今後、南部の未開通区間である六郷IC、下部温泉早川IC、南部IC、富沢ICから新東名高速道は、来年度中の完成が予定されています。山梨県中央部から新東名、東名に繋がり、太平洋への高速道が開けます。

 

 

 北部の未開通区間、山梨県長坂から長野県八千穂高原までは、大まかな路線とICの位置が決まり、住民説明会を行い、来年早々には環境アセスメントの実施が始まり、順調にいけば10年以内に完成されることになります。リニア中央新幹線の東京(新甲府)名古屋間の開通が9年後の予定ですので、それに続くことになります。

 

●中部横断道の効果は大きい

 

 

 昨今海外への物流が変化しつつあります。これまでは、我が国から米国への輸出が圧倒的に多く、それに対応すべく太平洋側の港湾とそれを結ぶ縦貫道系の整備に重点がおかれていました。近年は、チャイナ・韓国や東南アジアへの輸出が増加し、日本海側の港湾も重要な拠点となってきています。このため、太平洋側と日本海側の港を結ぶ横断道系の強化が重要となってきているのです。

 

 中部横断道の整備により、太平洋側の清水港、日本海側の新潟港との連携がより効率化され、山梨県の主要農産品である葡萄や桃等、長野県佐久地方のレタスや白菜等の輸出の増加に寄与することになります。

 

 国際クルーズ船による外国人観光客が急増しており、清水港では平成25年度がゼロだったものが、平成29年度は5万人を超えています。アジアの訪日観光客が行ってみたい観光資源は、①桜、②富士山、③温泉、④日本的な街並み、⑤日本庭園等との調査が出ています。中部横断道の沿線各地には、アジア観光客の期待する観光振興があります。高速道の整備によって、観光クルーズ船が停泊する清水港から、観光資源のある沿線各地へ、バス等で行きやすくなり、多くの観光客が訪問することが期待されています。

 

 

 また、首都直下地震等の発生によって、都心の機能が低下、麻痺することが予想される中で、中部横断道は都心から5番目の環状道路として機能し、首都圏を迂回する代替路となります。港湾と空港間の交通を確保し、首都圏への救援物資輸送の役割を担うことになります。

 

●沿線自体治、国会議員からの意見

 

 議連の会合では、山梨、東京、神奈川、長野の沿線自治体からは、それぞれから早期完成への強い要望意見が出されました。

 

 それを受けて、出席した国会議員からは次のような意見がありました。

 ・中央道相模湖付近については、国交省道路局が、JRとともに鉄道局とも連携して、速やかに事業を着手してほしい。

 ・料金体系について、都心を通過しないように、迂回路でも目的地が同じであれば、料金を同一とする措置が取られているわけで、中部横断道の完成の時にも、同様に中央道の渋滞緩和にもなるので、走行距離で料金を取るのではなく、目的地での料金が均一となるように検討してほしい。

 ・災害時の広域代替ルートとしての役割は重要。首都直下地震の対応だけでなく、富士山噴火もあわせて検討してほしい。

 ・地域住民の協力を得るためにも、完成の目途を具体的に明示してほしい。

 ・中部横断道北部区間について、地域からの強い要望があるので、国が直轄道路として整備して、無料区間を拡大してほしい。

 

 以上、活発な議論が交わされました。早期完成に向けて引き続き議員連盟においても力を尽くしてまいります。

 

沿線自治体が主導して以下大会が開催され、また開催される予定です。

「第6回中央自動車道渋滞対策促進大会」

10月17日(水)13時から シェーンバッハ・サボーで

「中央自動車道建設促進大会」

10月29日(月)13時30分から 都道府県会館で

 

●全国高速道路網の早期完成を 老朽化対策も

 

全国には、中央自動車道のように渋滞し、また、中部横断道のように繋がっていない道路がまだまだあります。全国1万4千㎞の計画の内、進捗率がようやく8割を超えたところです。

http://www.mlit.go.jp/road/sisaku/missinglink/index.html 

 

地方創生に向けて、予算を獲得しつつ、全国の高速道路網を完成させたいと思っています。一方、当然のことですが、会計検査院から高速道路会社が指摘を受けていますが、笹子トンネルの事故の教訓もあるわけですから、完成した高速道路等の老朽化対策も万全を期したいと思います。