沖縄の地理的優位性 (出所)防衛省「防衛白書平成28年版」

 

 5月15日は、沖縄祖国復帰の日です。45年前の昭和47(1972)年に、沖縄が祖国への復帰を果たしました。沖縄では、本土復帰を記念?した辺野古への普天間基地の移転反対、反基地・反体制集会ばかりが報道されて目立つのですが、祖国復帰の喜びを伝える記念大会も開催されています。

「沖縄県祖国復帰45周年記念大会」と日の丸行進

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170514/k10010981281000.html

 

●沖縄の実情

 

 沖縄には何度も訪問させて頂いていますが、大変住みやすい場所であり、訪問する度に活力を感じます。沖縄は、その立地から戦略的要衝であり、安全保障政策上基地設置は不可避です。本土復帰以来、沖縄には米軍基地の専用施設は7割とよく言われますが、自衛隊との共用施設を含めると全体の2割弱であり、基地負担は順次軽減されてきています。普天間基地が辺野古に移転されれば、市街地での基地負担の軽減に繫がることでしょう。

 

 本土復帰以来国費11・5兆円が投入され、経済は7倍に成長し、出生率は日本一となっています。辺野古移転反対を巡る政治闘争等を、マスコミは増幅して繰り返し報道して実像が見えにくくなっていますが、沖縄は全体として良い方向に進んでいると思います。当然課題はありますが・・・

 

●沖縄の特殊事情

 

 政府は、沖縄の振興を推進するに当たり、次の3点の特殊事情を挙げています。

 

① 歴史的事情

・沖縄は、先の大戦により20万人もの人々が犠牲。

・戦後27年にわたり、アメリカの施政権下に置かれ、インフラ整備など本土と大きな格差。

 

②地理的事情

・沖縄は、本土から遠隔。東西1000km、南北400kmの広大な海域に160の離島散在。

・島嶼地域ならではの経済的に不利。

 

③社会的事情

・国土面積の0.6%の県土に在日米軍専用施設・区域の70%が集中。

・県民生活に様々な影響を及ぼしています。

http://www.kantei.go.jp/jp/headline/okinawa_shinko/hitsuyousei.html

 

●沖縄だけが特殊か 

 

 以上の政府の指摘には、若干反論したくなります。

 

 ①歴史的事情 ~沖縄だけでなく同胞310万人の戦没者

先の大戦において、沖縄では激烈な地上戦によって県民の4分の1が犠牲になり、改めて慰霊の誠を捧げたいと思います。その中には、特攻隊や戦艦大和等、沖縄を護るために全国各地の若者が沖縄戦で亡くなっていることも忘れられません。また、全国各地でも多くの犠牲者が出ています。原爆投下で広島14万人、長崎7・4万人、東京大空襲で10万人等々、先の大戦では沖縄含め同胞310万人の戦没者が出ました。沖縄だけ歴史的事情を理由にするのは、いかがなものかと思います。ただ、米軍の27年間もの沖縄占領によって、基地の接収や社会資本整備が遅れ、本土との格差が出たのはその通りだと思います。だからこそ、本土復帰後、総額11・5兆円、平均すると年約2,674億円の国費で支援してきました。

 

 ②地理的事情 ~沖縄の地理的優位性、戦略的要衝から基地設置が不可避

これも沖縄だけでなく、鹿児島や長崎、北海道等、島嶼部を抱えた地域では同様だと思います。沖縄の他地域との違いは、地政学上戦略的要衝にあることです。沖縄諸島は南西諸島の中央にあり、我が国のシーレーンが近くを通り、紛争可能性が高い台湾や朝鮮半島に遠すぎず近すぎないというちょうどよい位置(戦略的要衝)にあり、周辺国から見ると太平洋への通り道にあるからです。自衛隊や米軍の基地が置かれる理由がここにあります。基地設置が不可避と言わざるを得ません。もし基地がなければ他の国が影響を及ぼそうとしてくることは必定です。反基地は、地政学的にあり得ないことだと思います。(防衛省提供の写真資料を参照)

 

 ③社会的事情 ~米軍施設の専用は7割だが全体では2割

米軍の専用施設の7割が沖縄に集中しているとよく言われます。その数字はその通りなのですが、自衛隊との共用施設を含めた全ての在日米軍施設の在沖縄の割合で言えば、2割となります。それでも、これ以上米軍基地が集中しないように、米軍の在沖縄基地の負担軽減策を順次進めているわけです。昨年末に北部訓練場4千haの返還が、20年越しで実現しました。これは、沖縄県内の米軍施設の約2割であり、本土復帰後最大の返還でした。地位協定についても、半世紀の時を経て初めて、軍属の扱いを見直す補足協定が実現しました。普天間飛行場のように市街地に隣接した基地があって危険なので、元々米軍基地がある辺野古に移転しようと工事を進めています。それなのに、県が反対するとは・・・

http://www.mod.go.jp/j/approach/zaibeigun/us_sisetsu/index.html

 

●沖縄の振興策 

~本土復帰以来11・5兆円の国費支援で県内総生産が6・9倍

 

 政府は、上記のような沖縄の歴史的、地理的、社会的な特殊事情に鑑み、国の責務として沖縄振興策を実施しています。 前述した通り、昭和47(1972)年の本土復帰以来、10年おきに策定する沖縄振興計画に基づき沖縄振興策を進めてきました。平成27(2015)年度まで総額11・5兆円。平均すると、年2674億円支援してきました。平成33年度まで毎年3,000億円台の予算を確保し、沖縄の成長を後押しすることになっています。

 

 国費での支援もあり、県内総生産(実質、支出側)は、復帰時に6,057億円だったのが平成26(2014)年度には4兆1,749億円と約6・9倍も拡大しました。出生率は沖縄が1・86(平成26年)と全国一高く、人口も増加が続いています。

http://ryukyushimpo.jp/news/entry-495575.html

 

 那覇から1,500km圏内にあるソウル、上海、マニラなどのアジアの主要都市には飛行機で4時間以内に行くことができ、豊かな自然環境や温暖な風土、また国際色豊かな独自の文化から、観光・リゾート産業・IT産業の振興、国際物流産業集積、科学技術の国際的拠点形成を目指しています。

 

 今年度の沖縄振興予算は以下です。なお、沖縄振興予算は、通常の道府県への地方交付税交付金や補助金とは別建て予算となっています。

http://www.kantei.go.jp/jp/headline/okinawa_shinko/yosan_sesaku.html

 

●平成29年度 沖縄振興予算 3,150億円

 

 沖縄振興予算の総額 3,150億円(前年度比200億円減)

1.沖縄産業イノベーション創出事業(新規) 10.6億円

・沖縄力発見創造事業 0.6億円

・沖縄国際物流拠点活用推進事業 8.2億円

・沖縄産業中核人材育成推進事業 1.8億円

2.沖縄離島活性化推進事業(新規) 10.8億円

3.沖縄子供の貧困緊急対策事業 11.0億円

4.その他の主な事項

①公共事業関係費等 1,429億円

道路や港湾、空港、農林水産、学校施設の耐震化や災害に強い県土づくりを実施・

 

・うち、那覇空港滑走路増設事業 330億円

② 沖縄振興一括交付金 1,358億円

・沖縄振興特別推進交付金(ソフト) 688億円

・沖縄振興公共投資交付金(ハード) 670億円

③ 沖縄科学技術大学院大学(OIST)補助金 167億円

④ 自動運転等の交通環境イノベーション事業推進調査(新規) 3.0億円

⑤ 駐留軍用地跡地利用の推進 12.5億円

西普天間住宅地区跡地における国際医療拠点構想の具体化等

⑥ 北部振興事業 25.7億円

県土の均衡ある発展を図るため、北部地域の連携促進と産業振興や定住条件の整備。

⑦ 鉄軌道等導入課題詳細調査 1.5億円

⑧ 青色パトカー使用等の沖縄・地域安全パトロール隊 8.7億円

⑨ 防犯灯・防犯カメラ等緊急整備事業(新規) 14.8億円

平成29年度に限って、防犯灯・街路灯、防犯カメラを設置する際に、国が補助を行う。

 

 上記の予算以外に、沖縄独自の税制支援もあります。

http://www8.cao.go.jp/okinawa/3/33.html

 

 以上、沖縄祖国復帰記念日に合わせて、沖縄の事情と振興策について、書きました。沖縄の戦略的要衝として、基地設置は不可避なのですが、それでも普天間飛行場のような市街地の基地を郊外へ移転させて、基地負担の適正化を図りつつ、毎年3千億円という莫大な沖縄振興費の実効性を高めて、沖縄の発展と我が国の安全保障を確かなものにしていきたいと思います。そのためには、マスコミ報道に惑わされないよう、くれぐれも気をつけたいものです。

 

 私は、わが国の伝統的な精神、智・仁・勇の「三徳」や「和を以て貴しとなす」、万機公論に決すべし」に基づき、「国づくり、地域づくりは、人づくりから」をモットーに、全ては国家国民のために、日々全身全霊で取組みます。

 

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●参議院70周年 特別参観 5月20日(土)21日(日)

 

受付時間:午前8時から午後4時まで(見学時間は午前9時から午後5時まで)

受付場所:国会議事堂正門

  ※予約不要で無料。当日国会議事堂正門に直接集合。

  普段見ることができない場所(本会議上等)を見学でき、写真撮影も自由です。

  詳細はこちらへ 

http://www.sangiin.go.jp/japanese/san70/sankan/index.htm

 

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●現行憲法の制定過程

 

 平成29年5月3日「憲法記念日」であり、現行憲法施行70年です。改めて現行憲法の制定過程を確認しておきたいと思います。国立国会図書館がまとめた「日本国憲法の誕生」から、以下箇条書きでまとめてみました。

 

現行憲法制定過程の異常さは、いくら内容が良い、民間の草案を活用している、日本政府が修正した、選挙で選ばれた議員による国会でも修正されたと言っても、結局外国人であるGHQが我が国の憲法改正の決定権を握っていたということに尽きていると思います。残念なことですが、敗戦による国家主権喪失の結果です。その問題は、今外国勢力が我が国の憲法や法律に影響を及ぼそうとしたら、どうなるか考えればすぐに分かることだと思います。その過程で、先人の努力は大いに評価するものですが・・・

http://www.ndl.go.jp/constitution/index.html

 

⑴米国の占領方針

 7/26米英中がポツダム宣言発表(本国軍隊ハ完全ニ武装ヲ解除、民主主義的傾向ノ復活強化、言論、宗教及思想ノ自由並ニ基本的人権ノ尊重ハ確立) 

 8/10御前会議で国体護持を条件に受諾。8/14御前会議で最終受諾決定。8/15終戦

 9/2 降伏文書調印。マッカーサー占領政策開始。9/10 GHQ検閲開始。

10/9東久邇宮内閣から幣原内閣へ。10/11マッカーサーが幣原首相に「憲法の自由主義化」を示唆。9/11戦犯逮捕指令。

 

⑵日本政府の改正案

 10/22憲法問題調査委員会設置。帝国憲法は立憲主義でその改正で十分民主化できる

 

⑶各党や学者等が草案を発表

帝国憲法改正から天皇制廃止まで幅広く多様な案

 

⑷GHQ草案

 S21/2/1毎日新聞が政府改正案をスクープ。2/3マッカーサーが3原則(①天皇は元首でその地位は憲法及び国民の意志、②国家の主権として戦争廃止、③封建制廃止)の指示。GHQが民間憲法案や合衆国や諸外国の憲法を参考に10日間余りで英文草案を作成。2/8政府がGHQに改正案提出。2/13政府案を拒否しGHQ草案を手渡す。

 

⑸日本政府案の作成

 2/22GHQ草案を受け入れるしかなく翻訳して3/6政府要綱案を作成。GHQとの交渉で一院制から二院制へ。

 

⑹戦後初の衆議院総選挙

 4/10初の女性参政権 2票制で女性議員36名初当選 憲法が主要争点とは言えず?

 5/22第一次吉田茂内閣成立。

 

⑺国会での一部修正

 枢密院ではただ一人天皇機関説の憲法学者美濃部達吉は帝国憲法改正で十分と一貫して反対。6/20政府が改正案を議会に提出。衆議院ではGHQの要請で前文を「主権が国民に存することを宣言し」、第1条を「主権の存する日本国民の総意に基づく」と修正。9条では「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、……」との文言を追加し、また、第2項も、「前項の目的を達するため」と改められ、自衛権を読み込めるよう修正(芦田修正)。参議院ではGHQの要請で国務大臣は文民等4項目を修正。3か月半での審議で10/7成立。

 

⑻憲法公布、総選挙、施行

 11/3憲法公布。4/20第23回総選挙(過半数政党出ず)後、吉田内閣から片山哲社会党内閣誕生。5/3施行。皇居前広場で記念式典、各地で記念講演会開催。憲法改正に合わせて、皇室典範改正、国会法、内閣法、裁判所法、地方自治法などが新たに制定され、刑法、民法などの規定も改正。

 

⑼憲法普及

 12/1官民で憲法普及会(芦田均会長)が組織され、研修や講演、出版、懸賞論文、映画、「憲法音頭」等展開。小冊子「新しい憲法 明るい生活」は2千万部全世帯配布。

 http://www.ndl.go.jp/constitution/shiryo/05/141/141tx.html

 

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●熊本大地震の被災者支援を

 

熊本地震の被災者の方々には、心よりお見舞いを申し上げます。

政府では、被災者支援のための情報提供を行っています。

http://www.kAntei.go.jp/jp/heAdline/sAigAi/kumAmoto_hisAi.html

 

●東日本大震災

 

 東日本大震災で被災された皆様への支援制度情報等

 http://www.kAntei.go.jp/sAigAi/

 

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●自民党党員募集

 

 自民党では党員を募集しております。2年以上党歴のある方には、自民党総裁選挙での投票権を持つことができます。ぜひ事務所までご連絡下さい。

 

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