2月5日(日)に、東京大学(本郷)で、第4回全国海洋教育サミットが開催され、視察をさせて頂きました。 主催は、東京大学海洋アライアンス・海洋教育促進研究センター、日本財団で、全国各地の教育委員会や小・中・高等学校の教員・児童生徒などが参加して、海洋教育の推進について、シンポジウムや、研究発表会が実施されました。

 

●海洋教育の意義

 

 私は、海洋国家に相応しい教育を推進するために、官民連携した「海洋教育推進プロジェクト」を1年前に立ち上げました。

 

 その取組みもあって、学校教育の内容を決める文部科学省大臣告示の学習指導要領が、10年ぶりに改訂され、海洋教育が充実されようとしています。

 

 今回の改訂は、従来の教育内容だけでなく、子供たちの能動的な学びを引き出す教育方法にも触れ、そしてその結果、社会とどのように繋がるのか、学ぶに向かう力、人間性にまで踏み込んでいます。

 

 その中で、海洋国家であるわが国にとって、海洋教育、海に親しみ、知り、守り、活用することは欠かせません。領土や領海を知り、海事関連産業の重要性を学び、道徳や国語、社会、理数、英語等の学習の動機付けにもなると思います。何よりも、わが国や郷土を知り、愛することになると思うからです。

 

 安倍総理は、昨年7月の海の日で、2025年までに全ての市町村で海洋教育を推進することを表明しました。それに向かって、国土交通省では文部科学省と協力して、海洋教育推進プラットフォームのモデル事業を来年度予算案に盛り込んでいます。

 

 今回視察した東大の取組みが、益々全国に広がることを期待しています。

 

●東大が推進する海洋教育

 

 全国海洋教育サミット開催の意義について、主催者である日比谷紀之(東京大学海洋アライアンス機構長/大学院理学系研究科教授)先生から、次のような話がありました。

 

 東京大学には、海洋を研修対象としている教員が250名以上おり、分野が多岐に渡っているので、研究者間の連携を強化するために、全学的な組織として平成19年に「海洋アライアンス」が設立されました。そこで、日本財団の助成を受け、津波から命を守る防災研究や、海洋利用の合意形成手法の開発を実施しつつ、大学院生には海洋学際教育を受けてもらい、海外の国際機関に派遣する人材育成も実施しています。

 東京大学 海洋アライアンス http://www.oa.u-tokyo.ac.jp/

 

 さらに、平成22年からは「海洋教育促進研究センター」を設置して、小中高校生への海洋教育のプログラムを開発し、海洋教育を実践する人材育成を、教育委員会や学校現場と協働して進めています。東大が連携している教委や学校は、現在22地域になっています。海洋教育サミットは、全国各地で実施している活動成果を交換し合い、今後に活かす場として開催し、今回で4回目を迎えています。

 東京大学 海洋教育促進研究センターhttp://rcme.oa.u-tokyo.ac.jp/

 

●シンポジウム ~東北と九州の4地域の取組み

 

 シンポジウムでは、「海洋教育を通じた持続可能な社会の創出」とのテーマで、東大と連携協定を結んだばかりの福岡県大牟田市、福島県南会津郡只見町、佐賀県東松浦郡玄海町、宮城県多賀城市の4地域の取組みが紹介されました。

●「炭の都」から有明海と三池港を生かした海洋都市へ ~福岡県大牟田市

 

・安田昌則氏(福岡県大牟田市教育委員会 教育長)の話

 大牟田市は、福岡県の最南端、有明海と阿蘇外輪山に面し、三池炭鉱に代表される「炭の都」として人口20万人の都市でしたが、廃鉱が続き、現在人口が11万人に減少しています。平成23年から、市内の全ての小中学校がユネスコスクールに加盟し、持続可能な開発のための教育(ESD)を実施しています。平成27年には世界文化遺産「明治日本産業遺産」に市内の三池炭鉱関連遺産(三池港・宮原抗・鉄道敷跡)が認定され、それらもESDに組み込んでいます。

 昨年10月に東大と連携協定を結び、ユネスコスクールでの取組みを海洋教育に発展させようと考えています。日本一の干満差とムツゴロウに代表される多様な生物がいる有明湾と、世界文化遺産の三池港を活かし、市内3小学校をモデル校として、海洋教育を開始しています。また、民間の「世界文化遺産三池港と有明海を学ぶ会」が発足して、協力して頂いています。

 大牟田市 http://www.city.omuta.lg.jp/

 

●山の中での海洋教育 ~福島県南会津郡只見町

 

・齋藤修一氏(福島県只見町教育委員会 教育長)の話

 只見町は、福島県の西南、新潟県との県境の山間地で、冬は豪雪地帯です。今雪は3メートルを超えています。少子化・高齢化・過疎化の三拍子に悩む町で、現在人口は4,600人ですが、23年後の2040年には2,600人と6割も減少してしまうという予想がされています。しかしながら、ユネスコエコパークに認定されて、人と自然が共生する地域として評価もされ始めています。

 町の将来に危機感を持ち、難題を克服するためには、教育しかないと思っています。教育を振興しようと、ユネスコの持続可能な開発のための教育(ESD)に取組み、何もないできない否定教育ではなく、只見だからできるという誇りある教育を実践しようとしています。

そこで、東大と今年1月に連携協定を結び、海洋教育を推進しようとしています。なぜ山間地で海のない只見町で海洋教育を推進しようとするのかというと、それはグローバル社会を実感し、生き抜く力を身につけてもらうためです。只見に若者が戻ってこないのは、仕事がないと言われています。仕事がないなら、グローバルな発想で、ローカルに活動して、地域に仕事を創り出す人材を育成したい、それを海洋教育を通じて実践したいと思っています。

 私達の悲願であった国道289号線が、もうすぐ開通します。新潟まで繋がり、山から川を経て、海に出ることになります。それを契機に、海洋教育を推進して、3つの苦難を克服したいと思っています。

 只見町 http://www.tadami.gr.jp/index.html

 

●小中一貫校での里山・里海教育 ~佐賀県玄海町

 

・岩崎一男氏(佐賀県玄海町立玄海みらい学園 学園長)の話

 佐賀県東松浦郡玄海町は、九州北西部、佐賀県の東松浦半島の中央に位置し、西は玄界灘に接し、人口6,738人に町です。雄大な玄界灘に面したリアス式の美しい海岸は、玄海国定公園に指定されており、対馬暖流の影響を受け、全国でも有数の漁場です。沖合域は天然礁が多く、マダイ・ブリ・イカなどの好漁場で、沿岸域ではマダイ・フグ・アワビなどの養殖が行われています。また、標高100~200メートルの低い山が波状的に起伏する、玄武岩特有の「上場台地(うわばだいち)」では、豊かな大地からたくさんの恵みが収穫され、棚田が有名です。仮屋くんちと呼ばれる祭りや歴史文化遺産も多くあり、九州電力の玄海原子力発電所も立地しています。

 玄海みらい学園は、2年前に全4小中学校を統合して開校した小中一貫校です。豊かな里山・里海や祭りや文化遺産を生かして、9年間という小中一貫校ならではの各種体験活動や特色ある教育活動を実施しています。また、原子力災害や津波被害に備えて、防災・減災教育も行っています。

 そのような中で、昨年11月に東大と連携協定を締結し、海洋教育を始めます。新たに海洋教育を始めるというよりは、先ほど述べた自然や文化、防災等の教育を組み直して、学びの航海図をつくり、取り組んでいきたいと思います。そして、全国棚田サミットや、近隣にある大学の学生や留学生との交流、東京の小学校とのWEB交流等を通じて、情報発信と連携を強化していきたいと思います。

 玄海町 http://www.town.genkai.saga.jp/home.html

 玄海町立玄海みらい学園 http://cms.saga-ed.jp/hp/genkai-mirai/

 

●東日本大震災の教訓から高校に災害科学科を設置 ~宮城県多賀城市

 

・小泉博氏(宮城県立多賀城高等学校 校長)の話

 宮城県多賀城市は、仙台市の北東部に隣接し、市の境に仙台港があり、ベッドタウンとして人口が6万人以上に増加しました。6年前の東日本大震災では、市民188名が亡くなり、関連死が30名を数えました。多賀城市の津波は、都市型津波と呼ばれ、河川遡上、幹線道路が濁流路となり、下水道にも流れ込み、多くの車両が流出し、仙台港湾岸の工場では壊滅的な被害が出て、製油所が火災となりました。

 そこで、阪神淡路大震災の教訓から生まれた兵庫県立舞子高校の環境防災科に続いて、全国で2番目の災害科学科を、多賀城高校に設置しました。そこで、①防災学習、②自然科学学習、③国際理解学習を3つの柱として、授業や課外活動を実施しています。

 そのような中で、昨年12月に東大と連携協定を結び、以上のような取組みを海洋教育の視点からさらに発展、充実をさせていきたいと思っています。 

 宮城県多賀城市 http://www.city.tagajo.miyagi.jp/

 宮城県立多賀城高等学校 http://www.tagajo-hs.myswan.ne.jp/

 

●全国の小中高校生の72研究の展示・発表会

 

 

 シンポジウム開催後には、全国の小中高校生らの72研究の展示と発表が行われました。その中で、私は宮城県気仙沼市の面瀬小学校の5年生の研究発表を聞きました。1年間かけて、気仙沼の自然、歴史、産業、食を現地現場に行って、調べたことの発表です。気仙沼は生鮮カツオの水揚げ日本一であり、カツオを獲る漁船、カツオを氷で冷やすための製氷会社、そのカツオを加工する会社等、海の関連産業に足を運び調べ、スラスラと発表してくれました。今回の学習を通じて、海との関わりを大切にしたいと思うようになったと言います。

 気仙沼市立面瀬小学校

 http://www.kesennuma.ed.jp/omose-syou/index.php?page_id=0

 

 今回の視察は急なお願いにもかかわらず、調整して頂いた文部科学省、そして受け入れて頂きました東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センターの先生方、関係者に感謝申し上げます。

 

 私は、わが国の伝統的な精神、智・仁・勇の「三徳」に基づき、「国づくり、地域づくりは、人づくりから」をモットーに、全ては国家国民のために、日々全身全霊で取組みます。 

 

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●動画 日本文化チャンネル桜「日いづる国より」 

 

 中山恭子参議院議員と対談しています。ぜひご覧ください。

12月16日「朝鮮問題とテロ対策」 https://youtu.be/S86-PS8cpAs

12月23日「憲法と天皇・象徴制と自由意志」 https://youtu.be/CS_fHD6f-RI

 

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●熊本大地震の被災者支援を

 

熊本地震の被災者の方々には、心よりお見舞いを申し上げます。

政府では、被災者支援のための情報提供を行っています。

http://www.kantei.go.jp/jp/headline/saigai/kumamoto_hisai.html

 

●東日本大震災

 

 東日本大震災で被災された皆様への支援制度情報等

 http://www.kantei.go.jp/saigai/

 

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●自民党党員募集

 

 自民党では党員を募集しております。2年以上党歴のある方には、自民党総裁選挙での投票権を持つことができます。ぜひ事務所までご連絡下さい。

 

●赤池まさあき後援会入会案内

 

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