安倍政権では、3月22日(火)に東京一極集中を是正し、地方創生を実現するために、政府関係機関の地方への移転の基本方針を決定しました。
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201603/22machihito.html
今回の取組は、道府県等からの提案を踏まえて検討を行ってきたものです。今回の目玉は、文化庁が京都へ移転することですが、各地への政府関係機関の移転内容を見てみると、全面移転ではなく、機能移転、連携強化による地方創生の意味合いが強く出ています。県によっては、複数の機能移転を実現しており、やる気の程が伺われます。地方の急な提案では当然連携強化もままならず、京都のように文化庁移転は10年前からの働きかけの結果であり、道府県の熱意とレベルが自ずと明らかになっているのではないかと思います。
お住まいの地域には、どの政府機関との連携が実現したか、ご確認下さい。
政府の基本方針全文
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/about/chihouiten/h28-03-22-kihonhoushin.pdf
●中央省庁7機関の移転は?
①文化庁の移転について(京都府提案)
8月末をめどに移転に係る組織体制等の概要をとりまとめ、年内をめどに具体的な内容を決定し、数年の内に京都に移転する。
②消費者庁等の移転について(徳島県提案)
8月末までに結論を得ることを目指す。
③総務省統計局の移転について(和歌山県提案)
8月末までに結論を得ることを目指す。
④特許庁の移転について(大阪府、長野県提案)
8月末までに具体的な結論を得る。
⑤中小企業庁の移転について(大阪府提案)
8月末までに具体的な結論を得る。
⑥観光庁の移転について(北海道、兵庫県提案)
8月末までに具体的な結論を得る。
⑦気象庁の移転について(三重県提案)
8月末までに具体的な結論を得る。
●49の地域と政府機関移転・連携の概要
以下、移転の対象地と対象機関移転の概要について、基本方針から抜粋します。
①青森 文部科学省所管(独)海洋研究開発機構(JAMSTEC)
「海洋人材育成等を図るため、八戸工業大学と海洋研究開発機構の連携拠点の設置」
②宮城 農林水産省所管(独)水産総合研究センター(水研センター)
「気仙沼市での地域拠点を生かした漁船漁業の経営安定に資する共同研究の展開」
③秋田 文部科学省所管(独)教員研修センター
「秋田の先進校を活用して、言語活動指導者養成研修の実施」
④山形 厚生労働省所管(独)国立がん研究センター
「鶴岡市でのがんのメタボローム研究分野の研究連携拠点の設置」
⑤福島 新設 経産省と福島県が連携
「浜通り地域に、イノベーション・コースト構想におけるロボットテストフィールド、国際産学連携拠点の設置」
⑥新潟 厚生労働省所管(独)医薬基盤・健康・栄養研究所
「新潟大学地域医療教育センター・魚沼基幹病院との研究連携に向けた協議会の設置」
⑦-1富山 文部科学省所管(独)教員研修センター
「富山県教育センターでキャリア教育指導者養成研修の実施」
⑧-2富山 厚生労働省所管(独)医薬品医療機器総合機構
「アジア医薬品・医療機器トレーニングセンター研修所の設置」
⑨-3富山 厚生労働省所管国立医薬品食品衛生研究所
「富山県薬事研究所で天然物医薬品分野での研究連携拠点の設置」
⑩-1石川 総務省所管(独)情報通信研究機構(NICT)
「NICTと石川県による包括協定の締結を通じた、能美市の北陸StarBED技術センターの機能拡充」
⑪-2石川 経済産業省所管(独)産業技術総合研究所(産総研)
「金沢市の公設試内に炭素繊維分野をはじめとした県内企業との研究連携拠点の設置」
⑫-3石川 文部科学省所管(独)国立美術館
「金沢市内に東京国立近代美術館工芸館の移転」
⑬-1福井 文部科学省所管(独)理化学研究所(理研)
「若狭湾エネルギー研究センターで、加速器を用いた生物照射の研究や利活用のため、理化学研究所仁科加速器研究センターの協力による育種研究連携拠点の設置」
⑭-2福井 農林水産省所管(独)水産総合研究センター(水研センター)
「水産研究連携を推進するため、「海洋生物資源国際研究センター(仮称)」の新設への協力を実施」
⑮-3福井 経済産業省所管(独)産業技術総合研究所(産総研)
「福井県工業技術センター(福井県福井市)内に産総研の拠点(「産総研福井サイト」(仮称))を設置」
⑯-4福井 文部科学省所管(独)教員研修センター
「福井県教育センターで、小学校における外国語教育指導者養成研修の実施」
⑰山梨 農林水産省所管 森林技術総合研修所
「現地研修拠点の設置」
⑱長野 防衛省所管 自衛隊体育学校
「上田市で自衛隊体育学校の合宿の実施」
⑲-1岐阜 文部科学省所管(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)
「かかみがはら航空宇宙科学博物館などで、宇宙教育活動における連携」
⑳-2岐阜 森林技術総合研修所
「修学校岐阜県立森林文化アカデミ-での現地連携研修の実施」
㉑静岡 農林水産省所管(独)水産総合研究センター(水研センター)
「海洋産業クラスター協議会で、水産研究の連携拠点の設置」
㉒-1愛知 農林水産省所管(独)農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)
「愛知県農業総合試験場(東三河農業研究所)、田原市と連携し、花きに関する研究連携拠点の設置」
㉓-2愛知 経済産業省所管(独)産業技術総合研究所(産総研)
「名古屋大学に産総研の研究連携拠点(「産総研・名大窒化物半導体先進デバイスオープンイノベーションラボラトリ」(仮称))を設置し、窒化ガリウム半導体研究連携拠点の設置」
㉔三重 文部科学省所管(独)教員研修センター
「三重県教育センターでの外国人児童生徒等に対する日本語指導者養成研修の実施」
㉕滋賀 環境省所管(独)国立環境研究所
「滋賀県琵琶湖環境科学研究センターでの湖沼環境研究分野の研究連携拠点の設置」
㉖京都-1 総務省所管(独)情報通信研究機構(NICT)
「京都府けいはんな地区のスマートシティ構想実現に向けた、情報通信研究機構との研究連携体制の構築」
㉗京都-2 文部科学省所管(独)理化学研究所(理研)
「脳科学分野やAIに関する地域イノベーション創出のため、理化学研究所と公益財団法人京都産業21けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)等の地域の大学・企業等との共同研究の展開」
㉘大阪 厚生労働省所管(独)医薬基盤・健康・栄養研究所
「国立健康・栄養研究所(東京都新宿区)の組織全体の移転」
㉙兵庫 文部科学省所管(独)理化学研究所(理研)
「産学連携体制の強化のための科学技術ハブ推進本部関西拠点(仮称)を連携拠点の設置」
㉚鳥取-1 農林水産省所管(独)農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)
「鳥取県園芸試験場等と連携し、ナシ研究の連携拠点の設置」
㉛鳥取-2 厚生労働省所管(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構
「職業能力開発総合大学校の調査・研究機能の一部移転」
㉜島根-1 外務省所管(独)国際協力機構(JICA)
「島根県隠岐諸島の海士町を実施拠点として、開発途上国の行政官等を対象とした青年研修等の研修機能の一部移転」
㉝島根-2 農林水産省所管(独)農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)
「畜産研究機能の強化のため、大田研究拠点の拡充」
㉞岡山-1 農林水産省所管 森林技術総合研修所
「真庭市での現地連携研修の実施」
㉟岡山-2 防衛省 自衛隊体育学校
「美作市での自衛隊体育学校の合宿の実施」
㊱広島 文部科学省所管(独)理化学研究所(理研)
「広島大学が所有するイノベーションプラザを活用したライフサイエンス共同研究拠点の設置」
㊲山口-1 文部科学省所管(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)
「山口大学等と連携して、防災分野等におけるリモートセンシング利用技術の研究、人材育成、国際連携、災害対応の強化のため、宇宙航空研究開発機構の衛星運用や利活用拠点の設置」
㊳山口-2 農林水産省所管(独)水産総合研究センター(水研センター)
「下関市での水産研究の連携拠点の設置」
㊴山口-3 防衛装備庁艦艇装備研究所
「岩国市での艦艇装備研究所の機能拡充に合わせた補完的な研究拠点の設置」
㊵香川 農林水産省所管(独)農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)
「野菜研究機能の強化のため、四国研究センターの拡充」
㊶愛媛 国土交通省所管(独)海上技術安全研究所
「今治地域造船技術センターを連携拠点とし、造船技術力強化を図るための連携拠点の設置」
㊷高知 文部科学省所管(独)海洋研究開発機構(JAMSTEC)
「高知大学との高知コアセンターを活用し、海洋分野における地域イノベーションの創出等を図るため、海洋研究開発機構の連携拠点の機能拡充等」
㊸福岡-1 文部科学省所管(独)理化学研究所(理研)
「理化学研究所、九州大学、福岡市の三者による連携協定に基づく応用化学分野等における地域イノベーション創出に向けた連携拠点の設置」
㊹福岡-2 文部科学省所管(独)理化学研究所(理研)
「久留米市でバイオ産業振興のため理化学研究所と(株)久留米リサーチ・パークが主導し地域の大学・企業等との共同研究の展開」
㊺福岡-3 経済産業省所管(独)産業技術総合研究所(産総研)
「九州大学伊都キャンパスに水素材料強度研究連携拠点の設置」
㊻福岡-4 環境省所管 環境調査研修所
「北九州市での環境調査研修所の研修拠点の設置」
㊼佐賀 厚生労働省所管(独)医薬基盤・健康・栄養研究所
「玄海町で薬用植物資源研究センター筑波研究部との研究連携に向けた協議」
㊽熊本 環境省所管 環境調査研修所
「環境省国立水俣病総合研究センターと一体となり、水俣市の施設(水俣病資料館、水俣環境アカデミア)等を有効活用し、環境調査研修所の研修拠点の設置」
㊾大分 外務省所管(独)国際交流基金
「別府市で立命館アジア太平洋大学等と連携し、東南アジア地域との連携をめざす日本語パートナーズ事業に係る一部機能の移転による研修拠点の設置」
既に、平成27年6月の決定に基づき、独立行政法人酒類総合研究所東京事務所(東京都北区)を、独立行政法人酒類総合研究所広島事務所(広島県東広島市)内に移転しました。