1216()午後3時に、最高裁判所は判事15名が全員参加する大法廷(裁判長は寺田逸郎最高裁長官)において、家族に関わる民法の規定について次の2つの判決を下しました。第一は現行の「夫婦同氏」については合憲であり、国家賠償は却下。第二の「女性の6か月間再婚禁止は100日までは合憲だが、100日超は違憲であるが、国家賠償は却下というものです。

 判決全文はこちらへ 

夫婦別氏 http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85546

女性再婚禁止 http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85547

 

平成20年国籍法違憲判決に関連して、「最高裁も間違ったものは間違っている」と国会で発言し、平成25年の非嫡出子相続違憲判断の時や、一連の1票の較差判決でも最高裁を批判し続けてきた私としては、最高裁も妥当で常識的な判断ができるのではないかと思いました。

 

●夫婦別氏の国会での議論活発化を警戒

 

 夫婦別氏問題については、以前も取り上げました。マスコミの事前報道は、夫婦別氏を誘導するものでしたので、懸念していました。

 http://ameblo.jp/akaike-masaaki/entry-12103626680.html

 

 最高裁の合憲判決で、夫婦別氏問題にようやく決着がついたと思いました。ところが、最高裁が「この種の制度の在り方は、国会で論ぜられ、議論されるべき事柄である。」との指摘を受けて、「夫婦別氏」の議論を活発化させ、選択制を実現させようという動きが出てきています。自民党内の一部や公明党、民主党、社民党、共産党等の動きです。自民党の中で、夫婦同氏制度を堅持し、さらに家族制度を守り支援する基本法を制定したいと思っています。そのための勉強会を立ち上げる予定です。

 

●女性の6か月間の再婚禁止の100日は合憲だが100日超が違憲

 嫡出推定

 

図をご覧下さい。もう一つの最高裁判決である「女性の6か月間の再婚禁止」問題について、現在の民法の規定は、子供の父親が誰なのか争いになるのを防ぐため、女性にだけ離婚後6か月間再婚を禁止するという規定があります(民法733)。これは、妊娠して外見上で分かるのが6か月だからとの理由です。

 

そして、当たり前のことですが、妻が婚姻中に懐胎した場合を夫の子と推定されます(民法7721)。そして、結婚してから200日超で生まれた場合は現在の夫の子とされ、離婚後300日以内で生まれた場合は、前の夫の子となります(7722)。問題は、現行規定では、離婚後6か月後に結婚すると、約80日間の前夫の子か、現夫の子か推定されない期間ができてしまうことです。この推定されない嫡出子は、現夫の子として出生届が提出され受理されています。

 

 今回の裁判では、女性だけ再婚禁止期間を設けることは憲法違反であり、立法の不作為であるから、損害賠償を支払えと訴訟が起こされていたわけです。それについて、最高裁判決は、再婚禁止期間が100日までは合憲だが、100日超は違憲との判断を出しました。再婚禁止期間がなくなると、嫡出推定が重なり、前夫の子か後夫の子か紛争が起きてしまうことから、重複せず、空白ができない100日を分岐日としたわけです。子供を紛争から守り、法的に保護しようという趣旨です。妥当な判断だと思います。

 

これにより、法務省は来年の通常国会に再婚禁止期間を6か月から100日とする民法改正法案を提出する予定です。そして、それまでの間には、判決が出た当日に通知を発出して、再婚禁止期間を100日として、100日超の婚姻届けの受理を関係期間に通達しています。

 

 今回の判決に対して、再婚禁止期間を設けているのは、日本とタイ(310)、トルコ(300)、イタリア(300)だけであり、英・米・中・独(1998年廃止)・仏(2004年廃止)・韓(2005年廃止)は設けていないとのことで、日本も廃止すべきであり、不当判決だと批判している方々がいます。自民党内でも一部、再婚禁止の見直しだけでなく、DNA鑑定の技術が進み、嫡出推定の制度自体も議論しようという方がいます。これに私は反対であり、いちいちDNA鑑定をするまでもなく、日にちで実子の確認をする現行制度を維持すべきだと考えています。

 

 今回の最高裁の判決自体は賛成なのですが、この判決を契機として、夫婦別氏や嫡出推定等の現行の家族制度を見直そうという動きには、しっかり対峙していきたいと思います。

 

 

●日本文化チャンネル桜「日いづる国より」放映

 

 1211()に日本文化チャンネル桜の番組「日いづる国より」で、作曲家のすぎやまこういち先生、中山恭子参議院議員と、拉致問題解決に向けて、朝鮮学校の地方からの支援現状、朝鮮総連の状況、対外諜報機関の設置について、鼎談を行っています。ぜひ多くの方にご覧頂ければと存じます。

 ユーチューブで無料動画が放映中 https://www.youtube.com/watch?v=lLnrLIAnHOg

 

 北朝鮮に拉致された全ての日本人を救出するまで、最後の最後まで頑張ります。

 

 

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 今後も、「国づくり、地域づくりは、人づくりから」をモットーに、日本国家国民を守るために、全身全霊で駆け続ける覚悟の赤池誠章です!

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