日溜まり

朝焼けは多分気が付かない

外では少しずつ日が長くなって来た

 

朝ごはんはずいぶんはかすすんだね

リハビリもいやがらずに家の中を行進した

お仏壇の前ではご先祖様に願いごとを

すむーずにいきますようにって !

毎日がねがいごとだよね

それでやっとこさ放免されてたどりついた

自由な時間っていいね

日溜まり

ここが自分のお気に入りの場所になる

おや、ばーさん少し太ったかね

好きな本の頁をめくるのにも飽きると

すぐにうつらの時間に入る

永遠の時間の一瞬だね

暦はあそこに

時計は壁に時刻を刻んでいる

一生だなんてあっと云ふ間だからって

ばーさんはこくりとしたかな

 

倉石智證

スキー、テニス、ベイスボウルの紅顔の美少年(美少女)も

はや㐂寿を超え、後期高齢になって来た。

幾たびか乾杯を重ね、みな息災無事を言ほぐ。

まさに「生きててよかった」の乾杯だった。

翌日山梨に帰郷。

雪を置く富士山を見て、

ばー様をショートステイに迎えに。

こっちもそんなにレベルが下がることもなく、

無事でよかった。

 

仏壇に連れてゆくと「南無」

「どうぞよくなりますように」と云ふから、

「どこが」と訊くと

「あたまが」と即座な返事。

かなり大丈夫さうだ(笑)。

/乾杯や何度でもして年をとる

/新年のあいさつ干支をひと巡り

/成田山巳年羊羹可愛らし

/手袋を脱いで久闊を侘び

/鉄板に冬の根菜野菜串

/古民家の梁に置きくる寒さかな

鰥夫(やもお)であれば犬と暮らせり

/元朝に㐂寿となりたる人のゐて燭七本やみなで祝ひぬ

/紅顔もいつか真白き髭となり頭を比べ叩き合ひたり

/はよ急げ山見て帰る故郷はばばが待ってるショートステイに

 

倉石智證

上京。

甲府盆地を出でて東京へ。

新年会第一弾。

献杯。

/農人の脚立の上や冬麗(うらら)

/冬麗(とうれい)や蒼き山腹冬霞

/甲州はぐるりと富士に八ヶ岳、南アルプス甲斐駒ヶ岳

/ものの芽の色付く高尾梅林の中央高速小仏の先

/むかしここに猪瀬がゐたと思い出し高き塔屋どこにゐたのか

/玻璃に映る寒さやほんに春よ来い

/月を見て通うお店は下町のどんでんて云ふお好み焼きの

/さあ乾杯小正月まであと幾夜

/小さき子の笑ふ門には福来る何に笑ふの笑ふ門には

/女子駅伝アームカバーを脱ぎ捨てて

 

倉石智證