出張先塩釜から娘が宅急便でお魚さんを。

ば様ベッドから落ちて左側頭部から出血、救急車を呼ぶ。

/拡声器の音の間遠に回収車

/蠟梅をスマホで見せし春や春

/蠟梅の薄紙ほどの寒さかな

/魴鮄(ほうぼう)の髯にまつはる寒さかな

/消えてゆく音見送りて三尺寝

/ナン天の実一つだに鵯雀

/水遣りや乾ききったる八つ颪

/花粉飛ぶはやニュース聞く盆地かな/(1/26)

/塩竃やコチ、魴鮄を届けさす宅急便に芹も添えあり

/コチ吹かば菅丞相も驚きぬ雪の花咲く陸奥ばかり

/三枚に左平目や薄造り縁側辺り妻の捌くや

お昼時に娘が出張先塩釜から魚を宅急便で。かか様はさっそく魴鮄と平目を三枚に卸す。ここまではよかったのだがお昼寝タイムとベッドにゐたはずのば様がベッドから頭を足元の方にして落っこちている。最近は時々床に転がる時もあるので絨毯の上に両手を合わせてもぞもぞしてゐるば様を見ても「またか」と最初は驚かなかった。ところが頭の方に廻ると血が出ているではありませんか。救急車を呼ぶ。しかし、会話はしっかりしてゐる。「痛いところは」と聞いてもそんなに痛みもなさそうだ。ただ“血液サラサラ”のお薬の所為か、ティッシュを重ねて抑えても出血はなかなか止まらない。最近退院してからお世話になってゐるかかりつけのやうな巨摩共立病院へ。

/ばーさんの動顚落ちるベッドから出血があり救急車呼ぶ

/お気楽や自分の怪我が分からない

ましてベッドを落ちたことなど

それでも3針縫ってもらう。抜糸は一週間後。4時半に迎えに行く。気持ちも落ち着いてゐる。コンビニでトワイライト富士を見る。夕食は問題なく食べた。ベッドで観察。吐き気もなさそうだった。でもしばらくして行ってみると病院の頭の包帯をすっかり自分で外して仕舞っていた。ば様はお休みのやうだ。せっかくの娘からのお魚の宅急便。「軽くてよかったね」と家族と妻とご先祖様にありがとうをして乾杯である。いろいろあったジェットコースターのやうな一日でした。

 

倉石智證

或る時再三わたくしは石でないことを確かめた

あの青いインクは呪文で

空に垂らす

まるで虹のやうに広がり滲み

人々を空の下に拘束する

1958Rene Magritte

 

林檎を食べたいと云ったら怒られた

石が口をきいては不可ない

ましてや林檎を食べられるなんて思うことは不遜だと詰られた

わたくしは自分の頬を抓ってみる

喋ろうとしてなんども間違えたが

最後はどうにか喋ることが出来た

みんな石の林のやうに無関心に黙りこくってしまったが

再三わたくしは自分が石でないことを確かめ得た

 

林の中に入ると不思議な形象の蜂の巣を見つけた

だがおほかたはもう出発の時間になっていた

片方ではハチの巣をつつくやうな大騒ぎに

一方石の林の方は不思議に静まり返っていた

石がゲップをする

林檎は部屋に突っかえたままだ

 

倉石智證

/妻の手に光集めて蕗の薹

/まず一句今年の蕗に奉れ

/二度三度梅花まだかと木の下に

/バターパン蕩けて光三月(やよい)めく

/水仙の光さやかに悪びれず

/義兄さんの腰痛施肥をしてもひとり

/義姉とても芝を燃やして煙たがり

/貧しかり白菜、キャベツ高かりき

/人情の雲にたなびき腰手して

/腹いっぱい食べてばーさんまた眠る眠りの中に王国があり

/蠟梅の便りをちこち東京都

/大寒や新酒の仕込み湯気白し

/香り立つ春は苦みや蕗の薹

/六枚の写真なりけり春眠い

/過ぎし日の在処(ありど)は岸辺のアルバムに

時季の波うつ寄せては返し

2014,1/12 じ様も健在。

2024,1/24 点滴2本。食事の摂取の試行錯誤を開始。

この頃のお茶も味噌汁もみんなとろみを付けて誤嚥に細心の注意を。

お椀持っただけでうれしい。

うまい、喉に穴が空いたよう。

♪よかった、よかった。

ありがとうございます。

なんといい気持ち、ありがとう⤴

/ばーさんの朝の挨拶カンタービレ、♪の中に食事始まる

 

倉石智證