秋になるといろんな届け物が急にあって

/みんなそれぞれの居場所で元気だ。

/不要不急な東電さんなんかも来客に紛れ込んでゐたりするが

/「ごめんくださ~い」、

わたしはだだだだだだだだだだと二階から階段を降りてゆく。

まいったなぁ。うれしいなぁ。

秋が来たヨ。秋が届いた。

玄関に宅急便のお兄さんは昨日のお兄さんと一緒だ。

汗を浮かべて笑顔がいいなあ。

秋いっぱいだね。

栗はつやつやとまるまると、梨は見るからに瑞瑞としてゐる。

洋子ちゃんの顔が、それについでに(笑)、

田舎の故郷のみんなの顔が浮かんで来る。

えらい齢をとったものだね。

えらい遠くまで来たもんだ。

謹んでうれしく大事にいただくよ。

千曲川があって、振り返れば雄大な高社山だ。

達者にまいりませう。

もうすぐみんな80歳になる。

ありがとうね~。

元気貰ったよ !!

 

倉石智證

そこには明らかに私とは違う時間が流れていて/わたくしの預かり知らぬことで/樹液の中にたとえば一晩中/囁きかわし蠢いてゐる/天頂で誰かが「伸びろ」って命令しているみたいだ/私が横になっている時/少しも安心はできない/むしろ縦になっている時の方が安穏だ/私が見ていると同じやうに/多くのモノが私を取り囲み/遂一わたくしを見てゐると云う風だ/油断ならんね/一晩で指のほども伸びて/幸福をもたらしてくれるものもある/一晩で手のひらほどに分かれて/他のモノを圧するものもある/ヤブカラシめ

/一方で花に現を抜かすのもよからう/わたくしと束の間同盟を結んでいるわけではないが/すぐわたくしの頬の傍ら/ぶんぶん蜂が飛び交ひ/黄の花、赤の花、斑の花/紫の花の色々…しかしそれらは意味を齎さないばかりか余りある/たちまちぼくに混乱する/わたくしをね眸つけて/然り、然り、然り/と浩然と笑ふ/畑に、野に伝わって/ブーメランのごとく私に戻ってきた/わたくしは伸びをして、思いっきり自分を肯定するのだが

 

倉石智證

/めでたさや赤い花なら曼珠沙華

/近在は“歯欠けばば”と彼岸花

/韮の花蝶来て空へたち消へぬ

/朝顔や蔓の嘯くどこへやら

/秋雨や長袖の換え衣文掛

/立ち返る溽暑を恨む通り雨

/前線を曳っ張りたきに能登の雨

これでもかと、無残な爪痕。

/新米の出てすぐに妻の握りかな

/落ちにけり柘榴のひとつ十三夜

/お目見えや君が代蘭の三代目

/干し葡萄干される前のルビーかな

笊に盛られて長い旅路に

手作りケーキ、パン工房いろいろ。

/座りいい尻へに置かれ南瓜かな

/秋の空なんに思案のゴーヤかな

/ヒダルさや行きどころ無き眠たさに

ねぷた流すはいかにとかせむ

“傾眠”百連発。 

 

倉石智證