巨峰に傘掛け。
トマトに病変、斑点病か。
ダコニール1000。
雲を見れば大いに胸筋を開くものだ。多少の埒外があっても、それはにわかには仕方が無いものと首肯する。今しがたの紫陽花はまだ見ぬ紫の小径へと私を誘ふ。捩花はこんなことにも自己主張してその姿形は小さく可愛らし気でもある。
けふはジャガイモ掘り、地の賜物を掘り出す。眉に滴る汗を払ふ。眼鏡に滴る汗の向かうに妻が笑ふ。ポンムデテール───、どんな経緯で遠いアンデスから日本にまでやって来たのだらう。腰を伸ばして空に雲を見やる。
スモモばかりでなく、今度はトマトにも病変が現れた。柿、林檎、李、そしてトマトへと、虫に媒介されるものもあり、胞子に乗って飛んで来たり、あるいは土の中から湧いて来るものさへゐる。災厄は隣り合わせで万事人間の都合のいいことばかりにはいかない。雲を見ればおおいに胸襟が披きゆく。薬剤ダコニール1000。トマトの病変はどうも糸状菌による斑点病ではないか。薬剤を1000倍に希釈して噴霧した。
倉石智證









