母の日。

花に淫す。

/線香の燻り五月の薔薇の願ひ

/ゑう無きに芍薬の花尋ねけり

/花に淫し芍薬の花何度でも

/大風の吹いて夏日や厭な感じ

/放棄地にナヨクサフジの惜しげなく

/蔓伸びてナヨクサフジの愁ひかな

/をさなくて蔓の戸惑ふ胡瓜かな

/十薬の塀のきはまで押し寄せて

/十薬の花乳色や母の日や

/母の日や柞葉(ははそは)の妣亡きにしを

/母の日や団子持ち来るお隣さん

/初大蒜(にんにく)ピカピカと妻畑から

/さへずりや膨ら雀の屋根づたひ

/春昼や箱があるから猫入る(創作)

/芍薬の蕊まるまるとマルハナバチ

芍薬の花房の奥へ出たり入ったりしてゐる。

 

倉石智證