燕とおじさん。

燕が廻旋していったな/おじさんは不寛容になったのかな/おじさんの不機嫌な顔/作業場の小暗い奥でも/畑の雑草のなかでも/齢をとったなぁ/だから無口になって/畑から抜け出るやうによろけて/道に椅子を出してきて腰を掛けた/まるで王様のやうで/腹を突き出して呆ける/腰も痛いんだってね/抜き差しならない/で、おじさんは伸び放題になった雑草の前で/たうたうため息をついて/あ~、思いっきり不機嫌になって/それだからついつい不寛容になった/濡れ燕が村道を廻旋していった/もう家の屋根の下には飛び込めないんだ

 

倉石智證