/蹌蹌は皇帝ダリア霜の朝さよならを云ふ陽は輝やうて

匆々たり皇帝ダリア、沈沈たる霜の朝、霜に葉が取り付かれ、ついに末期の声が聞こえて来る、もう待ってはいられません、一刻の猶予も、将に明日も氷点下の朝になるらしい。枯れうな垂れ萎れた葉を茎ごと落とす、電動ノコギリの出番です。遮二無二まだ命溢れる幹に刃を当てる。無残やなダリア。茎から涙の如く樹液が溢れる。来年はもっと気を付けるよ。剥き出しになった根方に、紅葉の枯葉のおくるみを抱かせ、藁づとを被せ、さらに上から肥料袋で覆った。土を廻しかけて霜にも大丈夫、これなら少しでもあったかい、来年もだよ、来年こそはだよ、きっとだよ、約束だよ、花を咲かそうね。

 

倉石智證