この人たちも永遠の隣人として
見知らぬ傍らを通り過ぎて行ってしまうのかなぁ。
胸がふたがる。ぼくも僕たちも一度目にしたならば見続けてゐなければならないのだらうか。もういい加減に、たとへば畑に撒かれたエンドウ豆はぼくたちの約束事のやうに天の運行に乗った。みんなみんなそうやって自分の運命に忠実に、天の采配に任せて、歓喜と云ふほどのことでもないが、ごく普通に静かな喜びに身を任せて、過去も現在も未来のことだから、冬の作物は生々と青々と畑に整列する。胸ふたがる。手を握っているが、握ろうとして、眠っているのか力なくするっと、気が付けばぼくの手から抜け出していて焦る。ぼくはもういろんなことで知らないと云ふわけにはいかない。かう云ふことで全般的に日を遅らせたりしてはいけない。もはやなんでも理路整然と云ふわけにはいかないが、木に上っている間は忘れることも出来るので、とりあえず目の前のことに真剣に取り組み、食事をしっかり頂いて、神仏にはちゃんと祈る。
富士山初冠雪
倉石智證




