金木犀が咲いた。

/芋名月すっかり雲に隠れけり

/お気楽や風が無くとも薄の穂

/松に来て松が枝松葉扱(しご)きけり

/秋明菊日に翳(かざ)しけり明きらけく

/金木犀妻の一声「咲いたわよ」

/点滴台返す花野の末(うれ)にまで

/白斑病鞘の容変葱の畝

(うどん粉病の薬剤を撒いたが)

/バイタルを聞いて見舞いの20分慌ただしくも手を握りたる

/何の用か石に乗りたる式部かな

/艶めける式部に鳥の御用かな

/シャベルカー石突き崩す音遠く秋ののたりや人のひとりや

/妄想や蝉の声聞く真夜更けて

/秋海棠小さい秋見つけた庭手入れ

 

倉石智證