痛いのはイヤだね。

/夏のモノ洗濯に出し了とする

/秋茄子は嫁と一緒に食べるなり

/巷間は病の人や秋桜

/しばらくは梯子の人と秋の空

/摘まみ菜の行列育つ秋の雨

/点滴やよい子にしてる百日紅

痛いのはイヤだね。けふは訪看さん二人がかりでば様の定置針の交換。なにしろ血管が細く頼りなく、一度目はば様が「痛い ! 」と激しく腕を動かしてしまい失敗する。サラサラのお薬を使用しているのでたちまち皮下が紫色に出血する。「生身魂、拳を強く握りしめて」───四人がかりで励まし宥め押さえつけてなんとか無事に完了しました。外は小雨。庭にはまだ百日紅が咲いています。ば様の兄さんが植えてくれたものです。「何かあったらすぐに電話くださいね」と、食事の摂取量が減ってゐる。食事は最期は細胞が嫌がるようになったらそこでお終いですと、年寄りにはなんにでも楽観はあり得ない。

 

倉石智證