夏闌り。

/夾竹桃紅に流れてモノレール

/感応式凌霄花(のうぜんかずら)紅い花

/ぶら下がる三日見ぬ間の胡瓜かな

/立ち漕ぎの少女に赤いカンナかな

/畑に出て夕餉が決まる茄子トマトピーマンしし唐夏の賑ひ

/半夏生蛸の握りを入れてみた

/かーさんの自慢肉味噌茄子、胡瓜

/ピッツァひとつ娘に教へんとバジルかな

/新宿から南アルプス緑濃し

/トンネルを越えて翠巒(すいらん)夏の山

/黒富士のやや大人しく山開き

/魚の目を擦る魚の日ではないが

/百日草あと何日て云ふところ

/世に棲みて藤の花には帰り花

/土砂降りや鬼の行水ありまして

/初蝉や聴いた聞こえたやうな気が

/やれ励め西瓜畑の西瓜には

 

倉石智證