帰郷。

甲府35℃

/ばーさんに一陣の風茫と吹くここは何処だと訊くは哀しも

/ばーさんに我が家と云っても分からない

デイから帰り庭に留まりて

/ひとん家(ち)のアガパンサスに後ろ髪

/駐禁を拝み倒して汗一斗

車から離れて3、4分。

緑の縦じまのシャツのおねーさんがまさに切符を切る瞬間。

なんとか見逃してもらいました(笑)。

/蛞蝓(なめくじ)の舌で喩(さとす)の字のごとし

/蛞蝓は我慢しきれず家を脱ぎ

/家に在りてビールの時間を待ちにけり

/のけぞって恭しくも竹の皮

/鰹漁高知に出掛け藁で喰ふ

/ケンちゃんは洗車をしてる夏してる

/末広にぎょうさん芥や夏苦し

新宿、昼間の末広亭の前の路地は芥だらけ。

けふは35℃

/人でなしロクデナシとも汗みずく

/桔梗の帰り来たれば紫に

出掛ける時は苞のままでしたが、

すっかり紫色に花披いてくれて。

 

倉石智證