春が来る。
あの雲のやうにとりとめもなく憂いが深まる
口遊む、ににんがさん、さんしがご
ごは口遊む石になる
畑にあり庭にもある
そして躓く
雲は遠くに在って
けふは初燕を見た
なにをそんなにいそがしいのだらう
軒を掠めて二羽三羽
まだ虫湧く季節でもあるまいに
世間を遠くに押しやって
わたくしは友達です
友達にLINEをします
まぎらわしい
だからそんなに大事な用事でもなんでもないのに
ただとりとめもなく
ちょっと不安だからねって
ごめんなさい
ほんとはなにか伝えたかったのだけれど
燕くんが二羽三羽
きっと善きものを口にくわえて
大急ぎで向かうからやったて来た
倉石智證





