「葱買うて枯れ木の中を帰りけり」(蕪村)

木枯らしがやって来る前に。

自前のネギはその都度畑から。

/何度でも長葱のこと蕪村かな

/をもしろきことも無き世ををもしろく

(跛)ちんばの大根脚をもしろくせり

さあ、病院です。

ウェイティング中、眼の前の血圧計で(わたし)。

 

色々がある。色々とせり。

秋の傍ら旺盛なものもある。

一方減衰し、老耄し、防戦一方のものもある。

ば様を病院に連れてゆく。

訪看さんの点滴処置───定置針が入らない。

また入院になるのかと、一瞬頭をかすめる。

ここ二三日、とくに譫妄が激しい。

昼も目覚めてから、夜は就寝中でも、

のべつ喋りっぱなしである。

夜は別人とも思える胴間声が階下から二階に聞こえてくる。

看護、ばばを宥めに階下に降りる妻。

血圧が170を超えてしまった。

旺盛な皇帝ダリア

末期の秋明菊

 

倉石智證