2024,9,8岡村桂三郎『白澤24-1』

 

流れをよく知りたいと頭に鳥が巣を掛けた

見晴らしがいいばかりでなく

城砦はあらゆることに役に立つ

目ん玉が空っぽになって風がすーすーと通り抜ける

最初に石を積んだのは誰だろうか

村の入口で、そんな村がずーっと広がって

最初の種にせよやはり鳥か風が運んで来たとしか云ひやうがない

伝令がやって来れば一目でわかる

水面が大きく盛り上がり巨鯉の口が水面に現れる

平和とか疫病とかよく話し合おうと

すり減った石段を多くの人が上ってゆく

今では頭頂に巣があるなんて当たり前だけれど

黄色い麦畑が饗応する

城砦からは人間がゴマ粒のやうに落ちてゆくのが見える

遠くでは爆裂の音がついでに烟が立ち昇る

みんながひれ伏して天を仰ぐ

ありったけの正義をほんの掌に握って

まるで世界なんてけふの天気予報みたいなものだ

あったり、或いはまったく無かったり

 

ヴァレリー・ザルジニー元ウクライナ軍総司令官

英国王立防衛安全保障研究所で開催された地上戦カンファレンスにおいて、

西側諸国に対し、新技術の開発を進めて世界大戦の回避に努めるよう警告を発した。

 

2024,10,3 thedailydigest.