夏の背(そびら)やっと白露に辿り着き───

/トンボうの山では避暑の時候かな

/軽々と塀越えてくる揚羽かな

/水音のどこかに聞いて山の音や

/式部の実紫落ちて色さやぐ

/咲き継ぐや瓦に在りて百日紅

/神妙に厠に入りて虫の聲

/韮の花蝶湧く処に咲きにけり

/柿落ちる柘榴も落ちて百姓家

/一夜さの虫の音朝に鳴き寝入り

/「やせったい」、ばーさん語録秋深し

/薄の穂千のお指の手招けり

/秋の花咲いて花野となりにけり

/或人は神社に廻りクレマチス

/今年またマルバルコウソウ色深し

/秋涼しばばに傾眠十時間

/朝涼や背筋を少し伸ばしみる

/焼き茄子をアチチアチチと朝っぱら

/秋深し野菜冥利に尽きにけり

/早生柿をためつすがめつ柿の色

/掘抜きに紫苑を置けばアレサまあ紫苑はいつか花を咲かせる

/上の句と下の句合はすばーさんの百人一首それはすらすら

 

「やせったい」は甲州弁で、気ぜわしい。

百人一首はすらすら出てくる。

文字は次第に怪しくなってくる。

住所を書いてと云ったら、住所の途中から

「もなか心に残る」

と変じてしまった(笑)。

 

倉石智證