初物や───

ご機嫌生身魂。

伸張ス皇帝ダリア胸に迫る。

/初物や畑の中の探し物

/どんみりと雨を待つ身の茄子南瓜

/裏土間に淡竹が届くそんなこと

/畑に撒くスプリングクーラー正直に水まきちらす止めを忘れて

義兄は葡萄畑のスプリングクーラーを止め忘れた。

夕刻行って見るとマシーンは正直に水を散布し続けていた。

ぼくらは同じ齢。

物忘れ多いけふこのごろ(笑)

/初がつお藁焼きの痕なほ芳し

/一尺に伸びてモロコシ畝に直し

/風さやぐヒルザキツキミけふこの頃

/園丁の真似事若夏の梯子

/房づくり顔隠れゆく棚下に

/夏ツバメ色濃してゆく景色かな

/けふはまた溝のお世話や雑草の伸びゆくままを溝に引き抜く

/初物の胡瓜懐かし蒼き棘

/柿の実や蔕のお帽子落ちて脱ぐ

/胸に迫る皇帝ダリア夏始まる

/ハナビシソウ云ひたきことの未だありて

/訪看さんにみなほめられてバイタルの相好崩す入れ歯なき人

バイタルすべてよし。

胸の音もすごくいいです。

ほめられた。

 

倉石智證