作物の苗を土に下ろす。
/ニュースでは農鳥出たよ富士の山
/低山に雲懸かりけり夏めけり
/畑巡りアスパラを採り帰りけり
/松芽掻き爪の汚れを気にかけず
/紙衣シンメトリーにアイリスは
/うなふてう備中鍬に春の土
/葱苗を畝の寝床に寝かせけり
/生身魂寝仏になり涅槃西風(ねはんにし)
/緑風縁先に触ればーさんに
/杭打ってトマトの棚をつくりけり
/生協は苗買ふ人で賑わへり
/郵便屋さんを庭に見下ろす松芽掻き
/紅躑躅白躑躅とに咲きにけり
/ひと雨に生(あ)るゝ南瓜やゴミ捨て場
/好きだよと畑に生(お)うる毛蕊花触りてみれば心和めり
/芍薬に玉結びゆく蟻集(たか)り
/苜蓿はまだだよ今かくれんぼだよ
プレバト───
「故郷の苜蓿の香は濃かりけり」
モクシュク=うまごやしのことである。
倉石智證