e-の囁き。
/紅李(べにすもも)花を余して放棄地に
/ムスカリのつい踏み外す放棄地に
/ムスカリのまずは最初の青さかな
/タンポポのまだ珍しき三月の
/里芋を植えて鵯にも声掛ける
/野良ネコの雉鳴く声を追いかけて
/石垣を見て隣には鬼薊
/ばばに云ふふうふうをしてチーズ粥おぼこに還るふうふうをして
/ほめそやすばばを巡らすリハビリのアンヨは上手はい三周目
/一冬を越してダリアの目覚めかな
/野蒜掘る亭主の好きな酒の当て
/受粉待つスモモはいずれお気張りや
/毛蕊花(もうずいか)のびろーどやさし弥生かな
/ムスカリに空の碧さを落としけり
/ものの芽のデジタルプラットフォームかな光の粒子e-の囁き
盛んに光合成が始まる。