一人旅、北へ向かへば北を指す。

/待春や赤い鼻緒のじょじょ履いて

/冷蔵庫の微音あしたは晴ぁれ

/どこやらに声の聞こえる春談義

/屁ぷりむし有象無象に有耶無耶に

/三ン月や太きにゆれる池の鯉

/雪国や雪見大福食べたいな

/「まみくとい」北信五岳春立つや

/霞立つ佐保姫の裾千曲川

/きみ帰る母の糸廸いそいそと父の糸廸帰らざるして

/一人旅姨捨に寄る風光る

/山峡にまたなつかしき雪間かな

/アルプスは松本盆地山越えて善光寺さんは北信五岳

/ややあって十二峠を越えぬれば眉眼(まみ)に飛び込む白き巻機

「まみくとい」と覚えなさいって(笑)

斑尾、妙高、黒姫、戸隠、飯縄。

北信五岳です。

見る場所によってずいぶん変わる。

姥捨PAからは右から───

斑尾、飯縄、黒姫、妙高、(火打山)、戸隠

となる。

 

倉石智證