春の淡雪。

よかった、積もらなかった。

雪霽れの朝だ。

ば様の下痢も止まった。

よかった、よかった。

/降る雪やあたゝかきもの掌(たなごころ)

/沫雪やどこへ行こうかゆくまいか

/愛(は)しきやし子どもの声や春の雪

/淡雪や触れることなききみの声

/沫雪や二の字二の字の下駄の迹(転作)

/歩くたび地に吸い込まれゆく雪の

/生協に魚見にゆく春の雪

/降る雪やばばを寝かして買い物に

/大嚏(くさめ)脳ミソ飛ばす春一番

/沫雪のほたり落ちゆく池の面

 

/西郷の筒袖寒し上野かな

/雨水過ぎ花に少しの上野かな

/イレブンの上野を過ぎてみな忘れ

川柳クラブの11人のメンバーが柄井川柳の句碑を求めて上野に集合。

ところが各々方が好きにはしゃぎ過ぎて句碑探訪を忘れてしまったとサ。

 

/淡雪やクロガネモチをちょいと隠し

/淡雪や隣りの境はじめから

/淡雪やビタミン剤を忘れずに

/ウクライナ妻と別れる戻り雪

/塹壕でネズミと遊ぶ兵士かな

/太ももの先はミンチに飛ばされて木偶になりけり

性器があれば

性器があれば子供が作れる。

子孫は残せると…

/耀やうて雪の朝の雨んだれ

 

霽れた。よかった。

盛んに聞く雨んだれ。

 

倉石智證