子午線を踏んだか

カラカラ回る音がする

径は縦に下りてきて

男の風貌に潮が満ちて来る

風が吹くたびに

おお、古代風が頭蓋を空っぽにしてゆくのだ

死者は橋のたもとに抛り置かれ

虫たちの躁ぎよ

午後の陽が上がるまで

大地にすべてが渇いてゆくのを待ってゐる

眼に悲しみの過れよ

死者たちの胸騒ぎよ

22,5,10マリウポリ地下シェルター、

アゾフ連隊負傷者約500人

アゾフ連隊が、製鉄所内にいる負傷兵の様子

 

英雄になんかならなくとも

荒れ地の果て、父母のところに帰れれば

痛みと困難と共に強い決意がよみがえる

西から東へと辿る旅人

必ず北へと向かう旅人が交点で結ばれ

固く抱擁する

一切は物語の通りに旅は続けられる

 

倉石智證