73マサダの砦が陥落。集団自決(70エルサレム陥落)

→ユダヤ人の“ディアスポラ”が始まった。

 

「国権は独立、主権、尊厳に関わるもので、すべてを圧倒する」(鄧小平)。

領土と主権の一体性───、だからみんな死に物狂いになって戦いに行くのだ。ネイションであって、カントリーである。国家の強大な強制権。停戦、和平を進めると云ふ道義的義務と、国を守ると云ふ道義的義務の双方に引き裂かれる。一方で「死と絶望の場所」ガザは人の住めない場所になった。やまない砲撃、飢餓、感染症。地の上でも地の中でも片時と云へと気が休まる場所はない。表象不可能性としての絶滅収容所(パレスチナ)とナクバ=大災厄、大惨事(1948パレスチナのディアスポラ=世界各地に約550万人)をいかに表象していくかという問題、人類の根底に潜む不条理性のことである。

ヨルダン川西岸はA、B、C地区に分けられて、大地は締め上げられていく。

アメリカがそれを容認、黙認してゐる。

バイデン大統領はネタニヤフを親しみを込めて“ビビ”と呼んでいる。

アメリカはメディア、議会まですっかり“ユダヤ教”に汚染されてゐる。

2023,10,18“ユダヤ系”

(11日、ユダヤ系団体との会合に出席するサリバン補佐官(左)と話す

バイデン米大統領(11日、ワシントン)=ロイター

米国、欧州などによる“ダブルスタンダード”。

サウスが疑義し離れてゆく。

「力による現状変更」は米国が以ってしていることではないか。

 

「アブラハムの子孫たちにカナンの地を永久に所有として与える(世界を受け継ぐ)」

(米国福音派)

「神の教えに基づく世界支配はシオン、即ちイスラエルから広められる」

(旧約聖書詩篇133編=トランプ大統領就任式に引用)

1980国連採択476号

「エルサレムの地位と帰属の変更を主張するイスラエルの全ての措置と行動には法的正当性がない」

478号はエルサレムを首都と定めたイスラエル基本法は「無効」とし、エルサレムからの外交使節撤退を求めている。(17,12,10朝日新聞)

17,7,23エルサレム旧市街の外で21日、

イスラエルの治安部隊に向けて投石するパレスチナ人のデモ隊=AFP時事

(2020,1/29)

前大統領トランプはパレスチナ難民の帰還を認めず、米大使館の所在地をエルサレムに移し、エルサレムはイスラエルの不可分の首都とした。パレスチナに対しては公平性をかなぐり捨て、ヨルダン川西岸への入植地の合法性を認め、パレスチナ難民を支援する国連機関への拠出金も止めた。

 

大地がわれわれを圧迫して/とうとう最後の小路まで追い詰めてゆく/どうにか潜り抜けようと/手も足ももぎ取ってみたというのに/大地は我々を締め付ける/世界の涯にたどり着いたとき/どこへ行けばいいのか/最後の空が終わってしまったとき/鳥はどこへ飛べばいいのか/最後の息を吐き終えた時/草花はどこで眠りに就けばいいのか/われわれは深紅の霧で自分の名前を記すのだ ! /自らの肉体をもって聖歌を歌い終えるのだ/ここで死ぬのだ/この最後の小路で/ここかしこでわれわれの血から/オリーブの樹々が生えてくるだろう

 

(2020,1/29)四方田犬彦氏───トランプとネタニヤフが愚劣極まりない「中東和平案」を提示した日に、怒りをもってここにマフムード・ダルウィーシュの詩を引用する。

 

ユダヤ人は過去の歴史的災厄や迫害、虐殺などトラウマによる強い感情に囚われ続けている。

王妃ネフェルティティはミタンニ王国からアメンホテプ4世に嫁いだ。

約57年後、ラムセス2世による「カディシュの戦い」。

そのころモーゼの“出エジプト”。

『モーゼの十戒』には「あなたは殺してはならない」とある。

前1285ころ「カデシュの戦い」ヒッタイトVSエジプト

このころ“出エジプト”が

「アマルナ文書」1887偶然に発見された楔形文字で書かれた粘土版に。

 

“バビロンの捕囚”は紀元前586年頃から。

ユダヤ人は長い屈辱の歴史をすごすことになる。

歴史は立場が入れ替わって繰り返されるのだ。

今はパレスチナ人が“天井の無い監獄”───

イスラエルによって“捕囚”され続けている。

 

シュメール、アッカド、バビロニア…

ヒッタイト、ミタンニ、カッシート…

紀元前3000年くらいから紀元前1000年くらいまで、

中東に興っては消えていった国々である。

ヒッタイトには鉄器文明が起こり、

チグリス・ユーフラテスには広大な農業文明が広がった。

バビロンの捕囚を機にユダヤ人のアイデンティティに目覚め、

神殿宗教から律法を目指す。

さまざまな“言葉”が沸き起こり、創世記から始まる

『旧約聖書』もたった紀元前500年ほどの前からのことである。