おっとっとの伝説───
どうせ乗りかかった船でぇい
風が吹けば桶屋が儲かるとか
密偵とか密使が足早に木枯らしの街区を奔る
狸御殿だなぁ
金襴緞子だよ
錦秋の径径をゆけば
山椒魚は水岩の奥深く
夜にぱっちり目を覚まし
だれかお嬢さん
遊びにおいでなさって
と短い手足をばたばたする
こんなところで知り合ったのも他生の縁さあ
おっとっと
どうせ一回こっ切りなんだから
面白可笑しくまいりませう
あそこが回転木馬
くるくるまわれ摩天楼
アリスは世界の入口になります
その時はみんな出て来てくださいね
山椒魚の大将、貫禄だんね
まさに一堂に会する
責任者はいません
われわれのそして無暗なおっとっとの伝説
あんなところが舞台だなんて
水も空も一緒くたになって
くるくるま~わ~れぇ
みんなで幸せになる
倉石智證