昨日は庭の角っこのイヌツゲ。

電信柱が突っ立っていて作業やるのにややこしいことこの上ない。

ば様が昼寝から目覚めて奥座敷に移動。

じ様は喜んでわたしの庭を見てくれたものだが、

はたしてば様はどこまで見えているのだらう。

まあしかし、ご機嫌である。

/剪定師の庭の奥から出でて来ぬ

/ご覧ずるばばに植木を秋日和

/真木の木にいてう黄葉の散りかかり

いてう黄葉ちるちる

金のお舟、銀のお舟

風も無き間に

いてう黄葉ちるちる

あれは稲雀

いまは鵯

少しも優しくなく鵙も鋭く鳴いて

みんな屋根瓦ばかりかお空にもほら

 

いてう黄葉ちるちる

或る朝の寒い最中から

急に怖気づいたかのやうに

みんなで「ほら」て云ふ

それらはおまへばかりではなく

みんなそれぞれによかれと

祈るかのやうに

文字でなく

声でなく

それでいて風も無き二

いてう黄葉ちるちる

人はまあ、どうしたらいいんでせう

 

「金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に」

与謝野晶子1905『戀心』

 

倉石智證