天心運行毎日奇跡───

/毎日が奇跡となるや柿の秋

/土除ける尻のあたりを紅はるか

/ドンが鳴る村いっぱいの文化の日

/文化の日この上なしに菊薫る

/二三個の茗荷転ばしもの忘れ

/百目柿去年の日付探し見る

/イヌツゲや遠くで眺む玉づくり

/芋を火に三、四時間は知らぬ顔

/「飽きないネ」妻は焚火に話しかけ

/人間は芥出すものと焚火かな

/畑の芥、剪定の枝、焚火かな

/灯籠の傍辺に咲いて石蕗の花

/紅葉来て落つるばかりを待つばかり

 

倉石智證