人が亡くなったと告げられたから窓を開けて

やたら遠い空の彼方を見やった

屋根を越えてどこまで空はつながっているのだらう

悲しい、と云ふのではなく

ただ窓辺にぼんやりとする

1914アンリ・マティス「コリウールのフランス窓」

 

われわれはみんな過ぎ去ってゆくものであり

さあ準備をしなければならないと内心が躁ぐ

ピース(平和)ビースとシジュウカラが鳴いた

シジュウカラが飛びし去ったあとで

ガビチョウがやたら大きな声で鳴いた

書割りにはいろんなことが全部

捨て去られてまぎれ込んで

悲しみは一本の立ちあがる真っ青な樹木ほどになった

 

倉石智證