/着ぶくれて後ろ手をして十二月(季重ね)

/火、やさし

火、やはらかし

火、畏ろし

畑仕舞ひの芥焔へ熾かる

/うんうんとひとりの師走途とほし

/陽に干して白菜しなとなりにけり

/里芋の家族となりて掘られけり

/胸元で落とす芋の子ちりぢりに

/畑飾る仕舞の芥や冬ざるる

/積まれゆく畑芥妻に芋用意

/畑仕舞いトマト畑でありしかば転がりい出す翠のルビー

/松の葉に霜落ち朝の陽の光

/まま捏ねるばばは幼に帰り花おごっそさんもほらお口にも

/山茶花の花は数えるまでもなく

/ヘルメット買へば熾き火の焔えにけり

北から届くスキー便りの

/剪定に除草機かけて冬用意

/病無し売り上げは無し小春かな

/八つ手の葉六つ手数へる葉もありし

/年忘れ順々とゆく物忘れ

/ちゃっかりがうっかりになるもの忘れ

わたしの手袋どこへいったの

買ってもらったばかりの農事用手袋が不思議すっかりどこかへ消えてしまった。

 

倉石智證