秋思かな───

/どんぐりの蹠(あうら)にありてコロコロリ

/手庇や紅葉眩しき山の径

/縄文の気持ちになりて山深む

/ベランダに陽が落ち11月初む

/梅擬(うめもどき)斑尾山より持ち来たり

/定番は大根卸し滑(なめ)り茸

/陽の箭柄(やがら)奥まで入りて秋日和

/饂飩(うんどん)はきのこ汁した残りにて

/石垣やそろそろきみも穴惑

/掘り抜きの井戸に落とせる秋の雲

/菊の香や紫式部のその後に

/鰥夫(やもお)とはならぬ秋思の吾が生家

/千の手の万の手になる薄かな

/きみはまあムンクの「叫び」紅葉山

/ムラサキの茸は端に置いといて

/富士白し環業道路の突破ズレ

/稲群の三日見ぬ間に刈り採られ

/防衛省秋天異域監視塔

/実を付けし君子闌の秋思かな

 

倉石智證