/北斎の富士になりゆく皐月かな

/寄り添ひしタンポポの花いつの日か

/タンポポのポポの綿毛やカタパルト

/菜の花や半熟卵かけうどん

/菜の花も朧なりゆくそぼろ飯

/仕置きして実を結び行く牡丹かな

/青臭く上りて降りて庭師かな

/矢車草撮る人の妻野蒜採る

/モネの絵の矢車草と妻の謂いい

/櫛形山くしがたや接木せつぼく胡瓜苗買うて

接木苗は丈夫だ。

/知らぬ鳥の名前眼で追ふ庭師かな

/ござんなれヒョウモンチョウの今年かな

今年のヒョウモンチョウ一号。

/こんにちはヒョウモンチョウの庭に来て

/あゝ、今年も五月の薔薇は貴婦人になる

/五月の薔薇咲いて厨の窓開けむ

/涼翳やいつしか藤の莢着けて

/莢涼しフジ紫の花落とし

「夕化粧」今年一号花。

あへかなヒルザキツキミソウ。

/朝咲いて今年もおまへ夕化粧

/夕化粧ヒルザキツキミを朝迎へ

/カタバミの刈られるまでの命かな刈り払い機の命の咲きの

/マツリカや三社祭のあると云ふ

/アイリスのぬーぼーとして座を占むる時計の針の九時半を過ぎ

 

倉石智證