その采配、天の運航に任せれば

みどり深々と芽吹き初め

地衣のいたるところ早緑さみどりにならざるはなく

空を飛ぶものもおどろき

自らその使命をいそがしくするのだ

義兄の雄姿。

百姓も葡萄棚の下に出て

葡萄の蔓芽の嫩芽嫩葉どんがどんようを愛で、誉めそやし

しばし拱手する

見てごらん百人の者たちがそれぞれの持ち場に散ってゆく

千の眸の鳥たちも

地衣の草と虫と枯れ枝にさへ無関心ではいられず

チチチとこちらで鳴けばチチチとあちらでかへす

やがて大きなシンフォニアとなって

それだからみどり為すこの季節に

みなが落ち着きなくうろうろする

翠巒すいらんは遠く刷毛で掃かれたごとく

麓から山頂へと駆け上がってゆくだらう

図らずも大盆地に

なつかしさがこみあげ

緑の呼気を腹いっぱいにするのだ

ご近所さんのご夫婦。

おばさんの背後の畑は手も付けられず、もう投げ出そうかと(笑)。

 

倉石智證