/李、桜、一目千里の花の村おぼろなりゆく農夫のひとも
/ここいらは堤長くして桜咲く
/云ふなれば河川に游ぶ兒に日永
/学童の肩自信気に風光る
/車庫入れや新興住宅風光る
/ひまわりの野のかなしみよデ・シーカ、ソフィア・ローレン眼に泪溜め
/テレビ消す闇の暗さよウクライナ壕の地下へと寒さ降りゆく
/赤い靴ディサービスに連れ去られ夕闇迫る帰り来るかな
/命日ややあ元気かと声かくる達者でゐるかと写真の君に
/献杯や認知のひととその娘その弟に時の時計は
/花散らし花卉かきの下場を汚しつつ
世界と自分との間にたへず御しがたさが横たわってゐる。
真理の探究者は海岸で游ぶ子供のようなものだ、とある人は云ふ。
倉石智證








