さうだ、何もかも打ち明けて

わたしの河に流そう

未来は奇妙に折りたたまれてその枝の先にある

最初は苦い味がするもの

口先の唇に朝焼けのやうに光が宿り

すぐに世界へと広がっ行く

 

彼は何かをしゃべり始め

言葉は彼の口の端からこぼれ出て

真理はここにあると掌に掬い

大樹の下に翳した

競うやうにわたしが崩れてゆく

1965辻晋堂「目と鼻の先の距離について」

 

人格とはかくもむつかしいものだ

象の長老は一族を引き連れて河を渡る

朝日が大河を照らし続け

そこにはみじんも迷いは無い

 

倉石智證