親が憂えると

犬も憂える

親が喜ぶと

犬も喜ぶ

犬が喜ぶと親も喜ぶ

犬が憂えると、親も憂える

 

空を見上げ

散る紅葉の葉を追いかける

土の匂いを鼻面に

その濡れた鼻面がわたしを安心させるのだよ

おおいに喜び

憂い、いざなう

眠れない長い夜が続いたとしても

山窩に

遠い山笛よ

誰一人声を掛けるものとてないとしても

おまへが布団に潜り込んでくると

否応なく重ったいなぁ

それがお前の生命だ

今、私の胸乳に丸くなり

たちまち一体になったかのやうに温かくなり

眠りに落ちる

 

倉石智證