この夕暮れを静かに見ていようか
有線が学童たちにお家に帰るように放送し
電線に鵯の番がひぃよと優しく鳴きかわす
遠くの山並みが青く夕霞に泥なづんでゆき
一日の後悔と疲れをやさしく溶かしてゆく
善きことのあればうれしき哉
悲しいことはすぐに忘れて家居の外に
小川の流れは村の外へとずっと続いて行くんだ
代わりにヘッドランプもあかあかと
村道を自動車が入って来る
とーさんやにいさんも帰って来る
かーさんは台所に立ち
夕餉の準備にいそがしい
心底よきものが家の中に集まり来て
健やかに
ちょうどそのころになると屋根屋根の上に
一番星が輝き始める
小さきものは大きい者へ
大きい者は小さき者へ
ほほ笑み立ち
いただきますの祈りに両手を合わせる
倉石智證



