パイプなおじさんなんだな

口に銜えたら死んでも放さないと云ふあれだな

パイプの烟だな

輪ッ潜りすれば摩天楼にも出る

玻璃を巡ればグラスの縁だな

酒精はどこまでも連れてゆく

1978発売「オーパー」

 

気が付けば河を遡ってだな

河は眠らない、と云ふんだな

ハンモックにぶうらり揺られて

夢を見ているうちにこんなでっかい魚に飲み込まれてな

あゝ、愉快愉快とパイプの烟

 

どこまでも酔うほどに

常に生きているんだ

眼鏡の奥の眼が人懐っこく笑ふ

いいんだよ路上の上の喜怒哀楽のまんま、

それでも逡巡することだってある

とことん

人間だもの

オーパー

世界は驚きに満ちてゐる

 

倉石智證