/茄子紺と柿色競ふ深まりて

/帰り花世間の憂さをみな忘れ

鳥が枝にとまるやうに

窓を開けて窓の中から通りに歌う

うたを歌へ、多くの悲しみの歌を

通りゆく道の詩をだ

さうだよ、小麦を大事にできない者は

パンをダメにする。

(西欧のTVを観て)

/しおんしおんやさしく呼べば紫に

/百姓や稲架はざに蜻蛉の止まり来て

/車降りて案山子撮る人秋の景

/秋天や二こぶ駱駝薬師岳

/お彼岸や菊買う人のそれぞれに

/鵙日和小松菜の芽生ゑ初むる

/名月や防衛省の電波塔

/ゲージュツの秋妻の手の秋野菜

/秋の蚊のひょろひょろとして油断なし

/籠り居の蚊に刺されをる良夜かな

/資金繰り北京秋天習近平恒大グループ  デフォルトのありや

/露の家の百年ばかり守りをり

/ぎょっとする山で出合ひしブルカかな

/山路来て踏み外しけり金亀子コガネムシ

/虫の音のいや増すほどや秋灯火

/秋さやぐ上腕二頭筋さやぐ

/カナカナの鳴き止むる時 空したたる

/コロナ禍や犍陀多かんだたの人列つくり

 

倉石智證