/威勢よくてっぱう百合の花解きし

/名ばかりの処暑虫の声大南瓜

/雑草に隠れし名残の西瓜かな

/蝉鳴くや人新世と資本論

/縁先に閑けさこもる百日紅デーサービスにばばを送りて

/蹌踉そうろうと鷺の飛び立つ夏の堰

/巻雲や茅場町には川越えて

息子がまた東京の秋天の気配を送って来る。

/夏雲や強炭酸を買うてみる

/いただきます後の西瓜と思へばこそ

/閑けさや暗渠に落ちる水の音

/韮の花レースは蝶の衣装かな

/蔓仕舞ふ子南瓜をポキッ剪りて南無

/閑けさや蝶と連れ添う花野かな

/暑気払ふお焼きを茗荷の葉で包み

/凝っと見る桃のお尻の笑窪かな

/色がいいね「赤、青、緑」パラリンピアン、

 スリーアギトスけふに始まる

「わたしは動く」───

困難があっても限界に挑戦し続けるパラリンピアンを表現。

/ゴーヤすだれし築百年の家にありて

/軒に出て錆び炎帝の動かざる

/幌破れ軒に錆び行く暑さかな

/菌類のどこかできっと夢をみる

 

倉石智證