/クチナシや鼻から下はすぐに顎

(と云ふ戯れ句)

/梔子の刻に溶けゆくばかりなる

/ランタナや仲良きことのうれしくて

/北上す颱風南瓜の座りよし

/ソルダムの尻美しく初出荷

/トマトありて胡瓜もありし夕餉かな

/紫陽花の囚われし身や女学校

/紫陽花の虜囚鉄柵の向かうに

/次々と色生まれけり濃紫陽花

/ネコジャラシ活けて気持ちのねこじゃらし

/青空に燕が滑り紋白蝶

/葦原に声満つる午後行々子

/灯台の高さへ風の紋白蝶

/肝焼きやワクチン接種済ませては

/山路来て蛍袋の幾つかを

/銭葵立ち葵まで見たりけり

/夕翳や百姓家の門銭葵

/墓石にひとり慰む立ち葵

/うからどち賑わいぶっかけ饂飩かな

 

倉石智證