/一雨の過ぎたるたびに色変えぬあじさゐ花の人にあかぬかも

/寂び寂びと紫陽花色の閑閑と

/紫陽花や浮気心と花の色

/梅の実の瓶に休める独り言

/茄子紺の花の色とや実を結び

/夾竹桃の白と赤とに咲きにけり

/大人とは嘘つき礎いしぢに雨が降る

「ミルクユの謳」美春さん中学生

/おほかたは主婦らの手業お買い物棚の奥から品取り出して

/ばーさんのお洒落マスクで接種かな看護士さんの声のやさしき

/南瓜の仔下敷を妻敷いてやり

/汀へとあゝ草の海草の原

/放棄地にアカツメクサのゐ残りし

/深奥に虫飛び込めばむず痒いオクラの花のほほほほほほと

/おはやうを云ひにトマト畑かな

/新聞を取りに桔梗も咲きぬ

/庭前にひろはるゝ待つ夏落葉

/梧桐の葉の落ちやるを落ち着かず

 

倉石智證