シャボン玉飛んだ

屋根まで飛んだ

どこに生まれ落ちたんだらう

生と死だけは平等に与えられて

人生もまったく回析と干渉なんだ

シャボンの色にあくがれる

どんな屈折と紆余曲折であんな色になるんでせう

シャボン玉が飛んだ

ぼくの中では空まで飛んだ

2012撮影鈴木薫「知里の曙」知里は蓮の名前。

写真は光(波であり粒である)と化学物質による幻術である。

 

確率(運命)を表記するものが波である。

波は収縮して粒(試験などその瞬間)になる。

富は「才能と努力」貧困は「怠惰」の所為だと

「chance favors the prepared mind 」

と先生はいつも教室で云ってゐた。

 

ある操作によって「振幅増幅」する

ところが「月はどっちに出てゐる」

空は曇ったままだ

見ようと思ったら月が見えるところまで出かけなければいけない

いやだぁー電車賃が足りない

だれかおカネを貸してくれないか

みんなうすらうすら笑ってゐる

運命は波のやうなものであり果てしなくぶつかり合う

無数のシャボン玉はとりどりの色に輝いて

誰もが後を追いかけるるけれど

誰もが掴まえることが出来ない

1974一原有徳「〈銅のメモ〉より」

 

風風吹くな

回析と干渉は至る所で起こって

熱帯低気圧がオホーツク高気圧とぶつかった

おしくらまんじゅうが北の方へとせりあがってゆく

月はもう隠れたまんまだ

幸不幸はこんなところにもあって

しずしずと雨が降り出す

やがて土砂降りになるだらう

かうしている間にも喜んでゐるものたちもゐようが

雨の日はしょうがない

本当に雨の日はしょうがない

富者はみんなゾウさんの背に乗って

貧者はけふもまたキンカクシを磨くことになる

あゝ、ほんたうにほうむすていナ人たち

 

倉石智證